市制施行七十周年記念
横須賀風物百選
武山初不動
初不動は、例年1月28日で、縁日商人や近在の善男善女でにぎわっています。
ここに至る参詣道は、南武、一騎塚、須軽谷、北下浦と四方にあります。それらの登山口には、必ず前不動と呼ばれる不動明王立像が立っていて、参詣人の案内役を勤めます。
不動明王は、大日如来が一切の悪魔を払うために変身された姿で、災害を除き財宝を得る功徳があると言われています。とくに、武山不動尊は、航海安全の浪切不動として広く知られ、漁業関係者から厚く信仰されています。
沿岸漁業者にとっては、この山頂が漁場を定める基準として、あるいは、港の方向を知る標準として欠かすことのできないお山であったことも信仰を深めた一因と思われます。
「武山の不動さん」と親しまれているこの寺院の正式名称は、「龍塚山持経寺武山不動院」で浄土宗です。ここに安置される不動尊は、後小松天皇の御代、応永4年(1397年)に奈良東大寺の沙門万務大阿闍梨(しゃもんまんむだいあじゃり)が、諸国行脚の途中に、現在の南武にあった持経院に立ち寄り、高さ3尺9寸(約27cm)の不動尊を彫刻して本尊としたものです。その後、修験僧讃与見隋(さんよけんずい)が、この山頂に移したと伝えられています。
この山頂には、オオムラサキ、博多白、妙義山のツツジが約2000本あり、毎年4月下旬に「武山つつじ祭」が行われています。また、この山頂は、一騎塚から現在地を経て砲台山、三浦富士、津久井に至るハイキングコースの一拠点でもあります。 |