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 アスピリン喘息  

アスピリン喘息ってどんな病気?
喘息・アスピリン過敏症・鼻茸
  イメージ画像 喘息、アスピリン過敏症、鼻茸(はなたけ)を3主徴とする病気です。
気管支喘息患者の10%
   アスピリン喘息は、気管支喘息患者さんの約10%を占めると言われており、まれな病気ではありません。
 30歳以降に発症することが多く、喘息発作は通年性で、重症型ではステロイド依存症です。やや女性に多い傾向があります。

アスピリン喘息の原因は?
詳しい原因は不明
  イメージ画像 アスピリン喘息の原因は、まだ詳しいことはわかっていません。家族内発生もまれです。
 患者さんの下気道では、アラキドン酸代謝経路が非ステロイド性消炎鎮痛薬によって過剰に阻害されるためではないかと考えられています。

アスピリン喘息の症状は?
アナフィラキシーショックに似た症状
  イメージ画像 アスピリン(アセチルサリチル酸)などの非ステロイド性消炎鎮痛薬の投与によって、呼吸困難や血圧低下などアナフィラキシーショックの症状と共に、気管の攣縮が起こり、重い喘息発作が起こります。場合によっては、意識障害をともなうほどの大発作になり、死亡することもある病気です。
 喘息発作は15分〜30分以内に現れ、遅くとも120分以内に発症します。非ステロイド性消炎鎮痛薬を初めて服用して喘息発作が起こることもあれば、以前から服用していても何ら症状を示さなかった鎮痛解熱剤が、ある日服用したとたんに突然喘息発作を引き起こす場合もあります。
市販の解熱鎮痛薬
   非ステロイド性消炎鎮痛薬は薬局で市販されているバファリン、ノーシン、セデスなどの薬剤にも含まれています。これらを飲んだ後、喘息発作が起きたかどうかということが重要になります。
 鎮痛剤の内服や注射だけでなく、坐薬や湿布でも発作が現れます。
 誘発物質は多岐に渡り、多くの解熱鎮痛薬、感冒薬は、アスピリン喘息では禁忌とされています。
香辛料や食品添加物
   アスピリンだけでなく、カレーやミントなどの香辛料、食品中の着色料、添加物にも過敏性を持ちます。過敏性をもつ可能性のあるものは、多岐に渡ります。
 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)
作用が特に協力な物 アスピリン、インドメタシン、フェノプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、アミノピリンなど
作用がかなり強い物 メフェナム酸、フェルフェナム酸、フェニルブタゾンなど
作用が弱いかまったくない物 アセトアミノフェン、サリチルアミド、メピリゾールなど
 食品添加物・医学品添加物
誘発物質である事が確立されている物 ・食品黄色4号(タートラジン)
・安息香酸ナトリウム(防腐剤)
誘発物質である事が強く疑われている物 ・ベンジルアルコール(食品の香料、注射薬の無痛化剤)
・パラペン類(保存料)
・タートラジン以外のタール系アゾ色素、食用黄色5号(サンセットイエロー)、赤色2号(アマランス)、赤色102号(ニューコクシン)
 その他
その他 自然界のサリチル酸化合物(おもに植物に含まれる)
鼻詰まりや嗅覚障害
   喘息の患者さんで、鼻閉・鼻詰まり嗅覚障害の症状があれば、鼻茸の合併が考えられるのでアスピリン喘息が疑われます。
種々の病気における鼻茸の合併率
アスピリン喘息 36%〜72%
成人気管支喘息
  アトピー型
  非アトピー型
7%
5%
13%
慢性副鼻腔炎
  アトピー型
  非アトピー型
 
2%
5%
小児気管支喘息・副鼻腔炎 0.1%
嚢胞性線維症
  小児
  成人
 
10%
50%
アレルギー性副鼻腔真菌症 66%〜100%

アスピリン喘息の診断は?
問診が大切
  イメージ画像 アスピリン喘息の診断は、詳細な問診が大切になります。
 過去に非ステロイド性消炎鎮痛薬の服用によって、明らかな喘息発作が誘発されたことがあるかどうかを確認します。
負荷試験
   最近、アスピリン、あるいは他の非ステロイド性消炎鎮痛薬による負荷試験が行われています。
 内服法、吸入法、舌下内服法などがありますが、誘発される症状は非常に多様で、1秒間に吐き出された空気の量が肺活量に占める割合の1秒率の低下、発疹、眼瞼浮腫(がんけんふしゅ)、遅発型喘息(ちはつがたぜんそく)、大発作などが生じるため、呼吸器科医の厳重な管理の元に行われます。
症状の現れ方で診断
   副鼻腔炎、特に鼻茸の合併は高率です。
 鼻茸は通常みずみずしく多房性で、鼻腔に充満しているほど高度です。
 上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)のみならず、全洞に陰影がみられる汎副鼻腔炎を併発していることもあります。
 鼻汁(びじゅう)は通常は水様性ですが、感染を合併している場合は粘膿性(ねんのうせい)になります。
アスピリン喘息の治療法は?
手術で粘膜を除去
  イメージ画像 アスピリン喘息は、内視鏡下で副鼻腔手術を行い、鼻茸だけでなく全副鼻腔を開放して病的な粘膜を除去します。
 アスピリン喘息の患者さんはさまざまな薬物に対して過敏症があるため、手術に際しては慎重な対応が必要です。
ステロイド薬が治療の中心
   ステロイド薬の使用が治療の中心になります。一般の気管支喘息で使う治療薬を使用すると、アスピリン喘息を誘発させ、逆に症状が悪化してしまう場合があります。
 症状が軽症な患者さんでは、全身的に影響の少ないステロイドスプレーの鼻への噴霧、ステロイド液の点鼻などの局所投与で鼻症状のコントロールを行います。
 症状が重症な患者さんでは、ステロイド薬の全身投与が必要になります。
再発が多いので手術後も治療を継続
   再発が多いため、術後治療が重要になります。ステロイド薬の短期的全身投与、そして長期的な局所噴霧を行います。
 アスピリンを服用しないのはもちろんのこと、歯磨き粉、香水、香辛料が多く含まれる食事、果実などは控えるべきです。

アスピリン喘息かなと思ったら?
内科か耳鼻咽喉科へ
  イメージ画像 喘息があり、種々の薬剤、食品、添加物に過敏症がある場合、鼻閉・鼻詰まり嗅覚障害といった鼻の症状がある場合はアスピリン喘息の可能性があります。
 中耳炎を合併することもあるので、内科の担当医に相談しましょう。診察は耳鼻咽喉科医の診察が必要になります。
アスピリン喘息が疑われる人は
   過去に風邪薬や解熱鎮痛薬を内服してひどい発作が起こった人は、どんな病気で受診する時も、それを医師に告げることを忘れないようにしなければなりません。
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