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カミソリ負け・尋常性毛痩


カミソリ負け・尋常性毛痩ってどんな病気?

毛包炎と毛包周囲炎

 

イメージ画像 成人男性のヒゲの生えた部分の毛穴が化膿する病気です。顎や鼻の下など、硬いヒゲが生える部分に起こりやすい、細菌による毛包炎と、毛包周囲炎です。


カミソリ負け・尋常性毛痩の原因は?

黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌

 

イメージ画像 おもに黄色ブドウ球菌が原因となります。次いで、表皮ブドウ球菌が続きます。
 髭剃りによって、非常に小さな傷に細菌が浸入して起こります。
 鼻腔のブドウ球菌が感染するとも言われています。
 糖尿病など、基礎疾患があると、起こりやすくなります。


細菌の種類は?

ブドウ球菌

 

イメージ画像 球形、もしくは卵円形で、ブドウの房状に集まる細菌です。
 細菌感染で起こる皮膚の病気では、原因菌の大半をブドウ球菌が占めます。

連鎖球菌

 

 球形、もしくは卵円形で、数珠状に配列している細菌です。
 人や動物に感染して、猩紅熱、丹毒、扁桃炎などを起こします。

コアグラーゼ

 

 血漿(けっしょう)を固まらせる働きのある蛋白質です。
 黄色ブドウ球菌がコアグラーゼを作りますが、表皮ブドウ球菌はコアグラーゼを作りません。コアグラーゼを作らないブドウ球菌は、他にもたくさんの種類があります。


カミソリ負け・尋常性毛痩の症状は?

毛穴に起きる丘疹や膿疱

 

イメージ画像 青壮年の男性の口髭、顎髭、頬髭など、硬いヒゲの毛包に一致して、赤い丘疹(きゅうしん)や膿疱(のうほう)がまばらにでき、次第に数が増えて隣り合うものが融合し、深い部分まで病巣が拡大して大きくなります。
 毛穴の浅い部分と、深い部分に化膿が混在します。かさぶた・痂皮(かひ)が付きやすくなり、触れると軽い痛みがあります。
 このような症状が、次々に生じて、一進一退を繰り返します。

痒みや痛み

 

 痒みと、軽い痛みをともないます。
 白癬菌が原因の場合、発疹が片側に偏りやすくなります。


細菌で起こる皮膚病の特徴は?

感染から守る常在菌

 

イメージ画像 皮膚は体を覆い、細菌感染・真菌感染など、外部からのさまざまなものの攻撃や侵入を防ぐバリア・防護壁の役割を担っています。皮膚には、人に病気を起こさない常在菌が存在し、人に害を及ぼす病原菌の侵入を防いでいます。
 細菌感染を恐れ、消毒薬や薬用石鹸を日常的に使用していると、皮膚に有益な常在菌まで殺してしまうことになります。

全身の検査が必要なことも

 

 皮膚への病原菌の侵入を防ぐには、皮膚を傷付けないこと、病原菌が浸入しやすくなる皮膚の病気を起こさないことが大切です。
 糖尿病や肝臓病、免疫力が落ちている時、皮膚に細菌感染が起こりやすくなります。
 おできなどが次々にできたり、繰り返し起こったりする場合、全身の検査が必要になることもあります。

的確な診断が必要

 

 細菌が原因で起こる皮膚病の特徴は、以下の通りです。病気によって症状の程度に差があるため、必ずしもすべての症状で当てはまるわけではありません。
@ 赤くなる
A 腫れる
B 痛み(押すと痛む、触らなくても痛む)
C 触ると熱く感じる
D 病気が進行すると膿や汁が出る
 まず正確な診断をすることが重要で、原因となっている細菌がわかれば、それにあった抗生物質を使えばすぐに治ります。
 良い抗生物質のある現在でも、素人判断で治療が遅れれば、皮膚だけの病気にとどまらず、病気が全身に及ぶこともあります。抗生物質を不適切に内服したり、塗布したりすると、抗生物質の効かないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌などのような耐性菌が出てくるため、注意が必要です。


カミソリ負け・尋常性毛痩の診断は?

原因菌の検出

 

イメージ画像 膿疱から、黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌を検出します。
 健康な人では少ないですが、副腎皮質ステロイド剤を使用中の人では、白癬菌やカンジダも原因となります。
 細菌ではなく、白癬菌(はくせんきん)やカンジダなどのカビの一種が原因で起こっている場合、それぞれ白癬性毛痩・カンジダ性毛痩と呼ばれます。症状は良く似ていますが、白癬菌・カンジダが検出されます。

カミソリ負け・尋常性毛痩の治療法は?

髭剃りの自粛

 

イメージ画像 症状が激しい時は、カミソリによる髭剃りをやめて、ハサミで短く切るようにします。
 電動シェーバーを使う場合でも、髭剃りの間隔をあけて使用するようにします。
 洗顔はぬるま湯で、石鹸を使って優しく洗うようにします。

毛包炎と同じ

 

 治療法は毛包炎と同じになります。
 抗菌薬を内服から始めます。症状が軽くなったら、抗生剤の軟膏を塗布します。

白癬菌が原因の場合

 

 白癬菌が原因の慢性化したカミソリ負けの場合、抗真菌薬を内服します。


カミソリ負け・尋常性毛痩かなと思ったら?

皮膚科へ

 

イメージ画像 髭剃り後に毛包炎が出るようなら、早めに適切な治療を受けるようにしてください。


カミソリ負け・尋常性毛痩の予防法は?

剃り過ぎないこと

 

イメージ画像 髭剃りを行う前に、シェービングブラシとシェービングフォームを使い、たっぷりと泡を付けます。ヒゲが水分を吸って柔らかくなり、毛穴に潜む雑菌を取り除くことができます。
 カミソリはヒゲの向きに沿って、ヒゲを剃ります。深剃りして逆向きに剃ると、必要以上に皮膚を傷付けてカミソリ負けの原因になってしまいます。また、切れ味の悪いカミソリの使用は、必要以上の力をかけてしまい、皮膚を傷付ける原因になってしまいます。
 髭剃り後は、洗顔を行い、アフターシェーブローションなどを塗ります。
 カミソリ負けの予防法は、男性の髭剃り時だけでなく、女性の足や脇の下のムダ毛処理でも同じです

自己流予防法

 

 髭剃り前にオロナインH軟膏を塗ります。オロナインH軟膏を塗ることによって、カミソリの滑りが良くなり、毛穴に潜む雑菌の殺菌にも繋がり、カミソリ負けを予防することができます。

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