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ポルフィリン症


ポルフィリン症の概要は?

おもな症状

 

光線過敏
赤色尿
貧血
肝機能障害
皮膚露光部の水疱(すいほう)
瘢痕(はんこん)
色素沈着
顔面多毛


ポルフィリン症ってどんな病気?

ヘムの合成異常

 

イメージ画像 ヘモグロビンを作るヘム(鉄とポルフィリンの化合物)という物質の合成経路に異常があります。通常では、ヘムの70%〜80%は骨髄で合成され、ヘモグロビンなどを形成し、残りは肝臓で合成されます。ポルフィリン代謝経路の産生物質が皮膚に沈着し、その光毒性反応による日光誘発性皮膚障害を生じる病気です。
 この病気の総称が「ポルフィリン症」です。
 先天性ポルフィリン症、骨髄性プロトポルフィリン症、晩発性皮膚ポルフィリン症(ばんはつせいひふぽりふぃりんしょう)に分類できます。
 臨床的には、急性腹症、神経症状、精神症状などの急性発作を起こす急性ポルフィリン症と、日光や打撲によって水疱が生じ、それが破れて混合感染を起こしたり、慢性化すると皮膚が厚くなる皮膚ポルフィリン症とに分類できます。


先天性ポルフィリン症の原因は?

まれな病気

 

 ウロポルフィリノーゲン合成酵素の活性低下が原因です。
 きわめてまれな病気です。


先天性ポルフィリン症の症状は?

生後数ヶ月から発症

 

イメージ画像 生後数ヶ月〜3歳までに発症します。
 赤色尿のため、おむつがピンク色になって気が付くことがあります。褐色歯で、蛍光ランプの一種、ウッド灯を当てると蛍光赤色になります。

水疱や膿疱の反復

 

 皮膚の露光部に、紅斑、腫脹(しゅちょう)、水疱(すいほう)を生じます。膿疱(のうほう)、潰瘍を繰り返して、耳朶(じだ)、鼻の欠損、瘢痕性脱毛(はんこんせいだつもう)、眼瞼外反(がんけんがいはん)などの、瘢痕変形(はんこんへんけい)がみられます。
 手指の皮膚の萎縮(いしゅく)、拘縮(こうしゅく)、断指(だんし)も起こります。色素の沈着と、脱失も生じます。
 四肢の産毛から、顔面の多毛が特徴です。


先天性ポルフィリン症の診断は?

検査と診断

 

イメージ画像 尿、赤血球、糞便中のポルフィリンの増加の検査を行います。溶血性貧血(ようけつせいひんけつ)の存在から、診断されます。


先天性ポルフィリン症の治療法は?

対症療法

 

 治療は難しく、対症療法だけとなってしまいます。
 光りを遮る遮光(しゃこう)が有効です。溶血性貧血には、脾臓の摘出が試みられます。


先天性ポルフィリン症かなと思ったら?

皮膚科へ

 

イメージ画像 皮膚科を受診するようにしましょう。


骨髄性プロトポルフィリン症の原因は?

プロトポルフィリンの増加

 

 先天性のフェロキレターゼの活性低下によるプロトポルフィリンの増加が原因です。


骨髄性プロトポルフィリン症の症状は?

日光を浴びた後に発症

 

イメージ画像 平均すると4歳の幼児期以降、1時間程度日光を浴びた後、数分後に熱感、疼痛が生じます。
 幼児の場合、日光曝露後に、数時間〜一晩中、泣き続けることがあります。
 日光曝露後の熱感、疼痛しか症状がないので、日光過敏はしばしば見過ごされることが多く、診断が遅れてしまう場合が多々あります。

浮腫や湿疹

 

 赤らんだむくみ・浮腫、蕁麻疹に似た局面、湿疹などの症状が現われます。
 特徴的なのは、線状の浅い瘢痕が額、鼻、手指に見られ、これが診断の参考となります。
 長時間を経た後では、皮膚はロウソクのように肥厚し、シワが同じ部位に残ります。
 10歳頃から、自然と症状が落ち着くこともあります。

黄色〜緑色の光

 

 作用波長は400nm、500nm〜600nmの、黄色〜緑色の光です。窓ガラス越しの光りでも、症状があらわれます。
 このほかにも、肝機能障害、胆嚢疝痛(たんのうせんつう)もあらわれます。


骨髄性プロトポルフィリン症の診断は?

赤血球・血漿・プロトポルフィリン

 

イメージ画像 赤血球、血漿(けっしょう)、糞便中のプロトポルフィリンの増加を調べます。ただし、ポルフィリンは正常値を示します。プロトポルフィリンは水に溶けないので、尿には出ません。
 赤血球蛍光の検査も行ないます。

組織検査

 

 組織検査では、真皮、血管周囲の多層化した基底膜構造のPAS陽性のヒアリン沈着を検査します。

症状が似ている病気

 

 区別が必要な病気をしては、多形日光疹(たけいにっこうしん)、日光蕁麻疹、種痘様水疱症(しゅとうようすいほうしょう)があります。
 日光の照射後すぐに、熱感、疼痛が生じるという急激な反応は、ほかの疾患では見られない特徴です。


骨髄性プロトポルフィリン症の治療法は?

遮光が効果的

 

 遮光が必要です。しかし、普通のUVA、UVB用は効果がありません。チタンを含むものが有効です。
 βカロテンが有効な場合もあります。ステインが有効という報告もあります。
 10歳前後に、自然と症状が落ち着くこともあります。


骨髄性プロトポルフィリン症かなと思ったら?

皮膚科・小児科

 

イメージ画像 皮膚科、もしくは小児科を受診するようにしましょう。


晩発性皮膚ポルフィリン症の原因は?

さまざまな原因

 

 長期飲酒、肝ガン、全身性エリテマトーデス、B型肝炎、C型肝炎、HIV感染、薬剤(避妊薬、前立腺ガンのエストロゲン薬)、鉄剤の投与(鉄は酵素を阻害するため)、などが誘因となります。
 ウロポルフィリノーゲン脱炭酸酵素の50%程度の活性低下があります。
 原因不明の家族性のものと、孤発性のものとがあります。


晩発性皮膚ポルフィリン症の症状は?

もっとも多いポルフィリン症

 

イメージ画像 ポルフィリン症の中では、もっとも多い病気です。
 長期飲酒歴がある中年男性が、春〜夏にかけて、日光が肌に当たると、一見では正常に見える皮膚でも水疱が生じることがあります。それが数週間、治らない場合もあります。
 光線過敏症ですが、骨髄性プロトポルフィリン症のような日光曝露後の痛み、熱感の急激な出現など、急性のポルフィリア発作のような症状はみられません。
 汗管が詰まることによる白色小丘疹・稗粒腫(ひりゅうしゅ)をともなう瘢痕(はんこん)、色素の沈着あるいは脱失を残します。強皮症(きょうひしょう)に似た硬化が広がると、強皮症との区別ができなくなります。
 側頭部から頬部(きょうぶ)にかけての顔面多毛があります。
 家族性のものでは、小児でも発症します。


晩発性皮膚ポルフィリン症の診断は?

さまざまな検査

 

イメージ画像 血漿(けっしょう)、尿、糞便中のポルフィリンの増加を検査します。
 赤色尿がみられます。
 組織的には、表皮下水疱、血管周囲性PAS陽性物質がみられます。
 3分の1では、肝硬変(かんこうへん)がみられます。
 直接蛍光抗体法では、皮膚の基底膜、血管の基底膜に免疫グロブリンの沈着がみられます。

症状が似ている病気

 

 区別が必要な病気としては、後天性表皮水疱症(こうてんせいひょうひすいほうしょう)、薬剤性光線過敏症、慢性腎不全、偽性ポルフィリン症があります。偽性ポルフィリン症は、透析患者の4%〜18%にみられます。


晩発性皮膚ポルフィリン症の治療法は?

原因に合った治療法

 

 禁酒と遮光が必要です。薬剤性なら、原因となっている薬剤を中止します。
 血液をとる瀉血(しゃけつ)をして、血清鉄を減らすことで軽快します。2週間〜3週間に1回、300ml〜500mlをトータルで2リットル〜4リットル行ないます。これにより、6ヶ月〜10年ほどの効果が持続します。
 ただし、貧血のある人は瀉血できないので、入院してクロロキンの投与が行なわれます。


晩発性皮膚ポルフィリン症かなと思ったら?

皮膚科か内科へ

 

イメージ画像 皮膚科、内科を受診するようにしましょう。

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