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         経過は複雑 | 
        
        
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          B型肝炎ウイルス(HBV)感染症の経過は、多少複雑になります。 | 
        
        
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         無症候性キャリアからB型慢性肝炎へ | 
        
        
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           B型肝炎ウイルス(HBV)は、成人で感染するとB型急性肝炎を発症します。乳幼児期に感染すると、高率でキャリア(ウイルス保有者)となります。 
       キャリアでは、HBVが肝臓に持続的に感染する状態になります。免疫がHBVを排除しようとしなければ、肝炎は発症しません。この状態を無症候性キャリアと呼ばれます。 
       しかし、成長してある年齢になると、免疫がHBVを排除するように働きだします。この結果、肝炎が起こると慢性肝炎となります。 | 
        
        
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         肝硬変や肝細胞ガン | 
        
        
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          B型慢性肝炎は、免疫がB型肝炎ウイルス(HBV)に感染した肝細胞を攻撃します。HBVの増殖が弱まらないと、肝炎が長期にわたって続きます。 
       その結果、肝臓の繊維化が進み、肝硬変(かんこうへん)へ進行します。また、B型慢性肝炎は、肝細胞ガンが合併しやすい特徴を持ちます。 | 
        
        
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         セロコンバージョン | 
        
        
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          B型慢性肝炎の経過中、HBe抗原から、HBe抗体へセロコンバージョンすると、多くの場合ウイルス量が低下して肝炎が沈静化します。つまり、血中に存在していた抗原が陰性になり、これに対する抗体が新しく陽性になることです。 
       このため、HBe抗原のセロコンバージョンが診断上重要で、B型慢性肝炎の治療目標のひとつとなります。 | 
        
        
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         感染対策 | 
        
        
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          B型慢性肝炎は、家族内で感染しやすい病気です。B型肝炎ウイルス(HBV)キャリアの多くが、出生時に母親から感染するためです。このため1986年、HBVが母子感染するのを予防するための処置が開始されました。 
       1986年以降に生まれた人のHBVキャリアは激減しました。母子間感染対策を続けることで、将来、B型慢性肝炎は消えていく病気と考えられています。 |