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根治を目指して外科的治療 |
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膵ガンの根治を目指して、外科的切除術、放射線治療、抗がん薬による化学療法が実施されます。治療の原則はもっとも根治性が期待されている外科的切除です。
発見時にすでに進行してしまっていることも多く、必ずしも全例が手術の適応になるわけではありません。画像検査によるガンの広がりから、病気の進み具合を診断し、年齢や心身生理機能と合わせて治療方針を決定します。
現在では、根治性がもっとも期待されている治療法は外科的切除術です。膵頭十二指腸切除術や、膵体尾部切除術があります。可能な限り積極的に病巣だけでなく、その周囲も取り除く拡大手術が行われています。
しかし、発見された時点ですでに、進行してしまっていることが多く、切除可能なのは約40%の患者さんになります。 |
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3種類の手術 |
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膵ガンの手術は大きく分けると、膵頭部ガンに対する膵頭十二指腸切除術(すいとうじゅうにしちょうせつじょじゅつ)、膵体尾部ガンに対する膵体尾部切除術(すいたいびぶせつじょじゅつ)、頭部から体部まで広がっている場合の膵全摘術(すいぜんてきじゅつ)の3つになります。
それぞれの切除に加えて、周囲のリンパ節、神経、結合組織を取り除きます。
膵ガンが近くの血管に浸潤していた場合、それらの血管も合わせて切除することがあります。 |
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膵頭十二指腸切除術 |
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膵頭部ガンで行われる膵頭部十二指腸切除術は、胃から空腸(くうちょう)までと切除範囲も大きく、再建も複雑で、腹部外科手術の中ではもっとも大きな手術のひとつです。
最近では、胃を切除せずに残す幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(ゆうもんりんおんぞんすいとうじゅうにしちょうせつじょじゅつ)が選択されることも多くなってきています。 |
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膵体尾部切除術・膵全摘術 |
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膵尾尾部に続く脾臓も切除されますが、その影響はほとんどないとされています。
膵全摘術が行われた場合は、血糖コントロールのため、終生インスリンの注射が必要となります。 |
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再発と転移 |
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膵ガンを切除しても、術後にまた同じガンが現れて再発することがあります。
膵ガンの再発で多いのは、病変部を切除したすぐそばにできてくる局所再発と肝転移再発です。また、腹膜に種をばら撒いたような腹膜播種(ふくまくはしゅ)と呼ばれる転移で再発してくることもあります。
手術後の再発を予防するため、手術に加えて、抗がん薬や放射線照射を手術前・手術中・手術後に施行する集中的治療が行われるようになってきています。
治療法が医療機関によって異なり、標準治療と言われるものは、まだ確立されていません。 |
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広範囲に広がっている場合 |
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遠隔転移はなくても、腹腔動脈・上腸間膜動脈・総肝動脈(そうかんどうみゃく)・門脈から上腸間膜静脈などの膵周囲組織に広範に浸潤している場合は、切除不能となります。
この場合、ガン浸潤のための障害が現れている場合は、その障害を取り除く治療を行います。
たとえば、膵頭部ガンで閉塞性黄疸が現れている場合は、黄疸を軽減させるために、胆管内に閉じ込められてたまっている胆汁をストローのようなチューブで外に出してやるという内瘻術(ないろうじゅつ)を行います。胆管閉塞部(たんかんへいそくぶ)にチューブではなく金属製の網目状のステントを留置することもあります。
また、開腹術によって胆管と小腸を吻合するバイパス手術を行うこともあります。
十二指腸が閉塞して、食物の通過障害がある場合は、胃と小腸を吻合するバイパス手術を行い、残された生存期間でQOL(生活の質)の向上がはかられます。 |
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5 |
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局所の進行膵ガンに対しては、抗がん薬治療や、それらを併用した放射線療法を行います。肝臓などに転移がある場合は、抗がん薬による単独治療となります。
最近ではゲムシタビン、TS-1、ジェムザールなどの新規抗がん薬による化学療法が期待されています。ガン細胞上の分子標的とした分子標的薬の開発も進められ、その有用性も現れてくるものと思われます。 |
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5年生存率 |
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全切除後の5年生存率は10%ですが、ガンの進行度を示すステージ別では、以下の表のようになっています。
膵ガンの治療成績は、他の消化器ガンに比べると、必ずしも良いとは言えません。しかし、治療成績は年々向上しているのも確かです。
早期発見し、診断を行い、治療するかで、予後の改善に繋がっていきます。
ステージ |
5年生存率 |
生存中央値 |
ステージT |
59% |
80ヶ月 |
ステージU |
50% |
63ヶ月 |
ステージV |
25% |
21ヶ月 |
ステージWa |
10% |
13ヶ月 |
ステージWb |
3% |
6ヶ月 |
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放射線治療・化学療法 |
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一般的には、局所に限られる膵ガンが手術の対象となります。
膵臓周囲組織に広範に浸潤した
切除が不可能な膵ガンは、抗がん薬を使用した化学療法と放射線療法の併用を行います。遠隔転移のある膵ガンは抗がん薬単独による化学療法が治療の中心となります。
生存中央値は4ヶ月〜6ヶ月となってしまい、予後は良くありません。 |