そらいろネット > 家庭の医学 > 感染症による病気 > レジオネラ症・在郷軍人病
1976年に、アメリカのフィラデルフィアでの在郷軍人の集まりで、それまで未知だったタイプの肺炎が集団発生しました。 レジオネラと呼ばれることになった細菌が、会場のエアコンから吹き出してきて、集まった人たちに病気を起こしました。
その後、レジオネラ菌による肺炎や、熱性疾患があちこちで報告され、日本には在郷軍人病の名称で紹介されました。
レジオネラ菌は水のあるところを好み、ビルの給水塔で良く生息しています。近年では、水を循環させる方式の浴室、温泉での発生がみられます。
日本では1980年代に最初の患者の発生が報告され、その後、散発的に発生しています。肺炎全体の約1%〜8%、病院内で感染する重症な肺炎の約4%を占めます。
細菌性肺炎や、敗血症の形で発症します。
高齢者や、喫煙者、糖尿病、慢性の呼吸器疾患、病気の治療によって免疫機能の低下した人などに起こりやすく、重症化しやすいのが特徴です。
疲労感、発熱、頭痛、筋肉痛などの初期症状は、感染から2日〜10日後にあらわれます。 乾いたせきはその後、たんの絡むせきに変わります。 重症の場合は、ひどい息切れを起こし、下痢や精神障害などもみられます。
診断を確定するためには、たん、血液、尿のサンプルが検査されます。レジオネラ菌に感染すると抗体がつくられるため、血液検査でこれらの抗体の増加がわかります。 しかし、肺炎がある程度進行するまで抗体検査で結果は得られません。
一般の肺炎とは違い、レジオネラ症は見つけにくいこともあり、診断が遅れがちになります。
治療には、フルオロキノロン、エリスロマイシン、アジスロマイシンなどの抗生物質が使われます。 この病気の死亡率は約20%ですが、病院内で感染したり免疫力が低下している患者では、死亡率はもっと高くなります。
レジオネラ菌は24時間風呂、空調設備の水冷冷却塔、循環型の温水プール、温泉、公衆浴場、ジャグジーバス、ジェットバス、噴水などといったところが発生源となって感染することが多いようです。病気の進行がはやく、致死率の高い病気です。
アクアリウムをやっていていつも思うのですが、アクアリウムでレジオネラ菌の繁殖は大丈夫なのかなーと不安になります。 レジオネラ菌の宿主はアメーバなので、ろ材などにはたくさん住み着いているような気がします。 特にビーシュリンプ飼育をしている場合、換水はあまりやりませんし、エアレーションを行うのでたくさんのエアロゾルが空中に飛散すると思われるし・・・
アクアリウム水槽が原因でレジオネラ菌に感染したと言う話は、今のところ聞いたことがありません。 水槽内でバクテリアが繁殖するので、レジオネラ菌が繁殖できないのかな?もし感染の恐れがあるなら、、、アクアリウムはやめます! 熱帯魚の水槽の安全性はどうなのでしょうか?