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 ベーチェット病

ベーチェット病の概要は?
おもな症状
  口腔粘膜のアフタ性潰瘍
外陰部潰瘍
皮膚の毛嚢炎毛嚢炎(もうのうえん)様の皮疹・結節性紅斑(こうはん)
皮下の血栓性静脈炎(けっせんせいじょうみゃくえん)
目のぶどう膜炎、虹彩炎(こうさいえん)、網脈絡膜炎(もうみゃくらくまくえん)
関節症状
症状が似ている病気
  慢性再発性アフタ
急性陰門潰瘍(きゅうせいいんもんかいよう、リプシュッツ病)
スウィート病
多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)
急性薬物中毒
単純ヘルペスウイルス感染症ヘルペス
慢性関節リウマチ
起こりやすい合併症
  失明

ベーチェット病ってどんな病気?
ベーチェット教授が発見
  イメージ画像 トルコのイスタンブール大学のベーチェット教授によって、口腔粘膜、外陰部の再発性潰瘍と、目の病変をきたす新疾患として提唱されました。
 全身性の炎症性の病気です。
発作性に症状があらわれる
   症状は発作性に出現し、1週間〜2週間の経過で消失するのが一般的です。
 反復して現われ、慢性の経過をとります。
日本人に多い病気
   20歳〜40歳にかけての、働き盛りに発病することが多い病気です。
 日本では、1万5千人〜1万8千人で、世界でももっとも多い患者の存在が推定されています。
難病の日本代表
   目の病変による失明率が高いこと、中枢神経、血管、腸管の病変による死亡が多いことから、代表的な難病として社会的に関心が寄せられています。

ベーチェット病の原因は?
起こりやすい体質は判明しました
  イメージ画像 ベーチェット病になりやすい体質は明らかにされています。HLA-B51陽性者の発病が多いとされています。
 ですが、家族内での発生は2%前後にすぎず、アメリカ在住の日系人の発病は皆無に近いことから、発病には体質に加えて、何らかの環境因子が影響しているのではないかと考えられています。
環境因子はわかっていません
   環境因子については、まだわかっていません。
 ウイルス感染や、細菌感染、微量化学物質の影響が疑われています。最近では、連鎖球菌感染によるアレルギーの関与が注目されています。

ベーチェット病の症状は?
口腔粘膜の口内炎
  イメージ画像 ベーチェット病の口腔粘膜では、粘膜面が灰白色の偽膜(ぎまく)でおおわれて、周囲に発赤(ほっせき)を伴う円形、または楕円形の境界が鮮明な有痛性潰瘍であるアフタが、必ずといっていいほど発症します。(参考:口内炎
 また、早期から化膿しやすい傾向を持っています。
症状が全身にあらわれるようになります
   これらの症状が出没しているうちに、やがて結節性紅斑、にきびに似た毛嚢炎様皮疹などの皮膚症状。目のぶどう膜炎による視力低下。さらに、外陰部潰瘍や、関節症状が加わり、症状が出揃います。
 これらの症状の発生時には、発熱を伴うことがあります。
 この他にも、腸管潰瘍、中枢神経病変、血管病変、副睾丸炎などがあらわれることがあります。

ベーチェット病の治療法は?
有効な薬はまだありません
  イメージ画像 多彩な症状があるため、すべてに有効な治療薬は、現在のところ開発されていません。
 個々の症状に合わせて、適切と思われる治療薬剤を選択して使用します。ベーチェット病は炎症性の病気なので、抗炎症薬を用いることが多くなっています。
失明予防のために必ず治療を
   失明の危険性のあるぶどう膜炎に対しては、コルヒチンや、新しい免疫抑制剤のシクロスポリンなどが用いられるようになってから、失明者は減少しました。
軽症では抗アレルギー薬
   近年、粘膜・皮膚症状をおもな症状とする、軽症のベーチェット病患者が増加してきています。
 このような患者さんには、抗アレルギー薬の有効性が注目されています。
局所療法で
   症状が発生したときは、局所療法が大切となります。

ベーチェット病かなと思ったら?
医師に相談を
  イメージ画像 ベーチェット病にみられる症状のうち、2つ以上に該当する場合は、医師に相談して確かめる必要があります。
 診断は症状から行いますが、参考となる検査としては、皮膚の針反応があります。皮膚に針を刺した跡が、1日〜2日後に赤く腫れて、ときには小膿疱を作ることもある反応で、病気の活動期にはしばしばみられます。ベーチェット病に特異性が高い反応です。
体を冷やさないように
   日常生活は、急に体を冷やしたり、過労で疲れたりすると、症状が再発・増悪する傾向があります。
 冬、季節の変わり目、寒冷前線通過時、女性では月経前後を中心に、全身の休養と保温を心がけましょう。
食事のバランスを
   食事はたんぱく質とビタミンに富んだ、バランスの取れた内容となるように注意しましょう。
 摂取してはいけない食べ物はありませんが、刺激物の摂取は口腔粘膜症状に良くない場合があるため、控え目にしておきましょう。
 粘膜症状、皮膚症状の出現頻度が高く、化膿しやすいので、口腔内や皮膚の清潔につとめる必要があります。
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