選択性緘黙症の本質を対社会、対人間との交流障害と考えるなら、治療や対応の目標は、話すことよりもコミュニケーションの拡大と自我の発達を促進することになります。
まず大切なのは、周囲の大人たちが話すことを無理強いしないことです。無理に話させようとすると、ますます萎縮や緊張したり、大人に強制されたと感じて引きこもるといった悪循環に陥ります。喋らないでその場にいることを周囲が認め、本人がその場に慣れて自分らしさを発揮できるような援助が必要です。
外の世界での経験不足を補う意味で、習い事などさまざまな活動への参加も有効なことがあります。ただし社会的な物事への不安や恐怖の高い子供の場合、無理に経験を積ませようとしても上手くいかないケースがみられます。焦らず子供のペースを尊重してあげてください。
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