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チック症・トゥレット症候群


チック症・トゥレット症候群の概要は?

おもな症状

 

まゆをピクピクさせる
頭をゆする
目をパチパチさせる
肩を小刻みにゆする
しゃっくりを繰り返す
甲高く吠える
汚い言葉を撒き散らすなど

起こりやすい合併症

 

吃音・どもり
強迫性障害
注意欠陥・多動性障害
学習障害
睡眠障害
気分障害


チック症・トゥレット症候群の症状は?

どのような状態なの?

 

イメージ画像 人間は、心の微妙な動きを、さまざまな仕草で表します。この、『ボディー・ランゲージ』で心の葛藤を表現する症候群が、チック症、吃音、習癖異常などです。
 チック症は、かなり古くから知られているものです。習慣性の筋肉のれん縮であり、突然起こって、不随意に、頻繁に繰り返される無目的な早い運動です(不随意運動)。

チック症・トゥレット症候群の原因は?

どうしておこるの?

 

 たいていの場合、些細な事柄をきっかけにして現れ、習慣化されていきます。
 結膜炎をおこして目がかゆくてまばたきをしているうちに、何もないのに目をパチパチさせるようになったり、きつい帽子を被るのをやめた後に額にしわを寄せるようになったりします。
 ちーず。の場合は、前髪が目にかかるため、それを振り払うように首を振っていたものが習慣化されたり、鼻炎で鼻水をすすっていたのが、習慣化されていきました。
 ある種の癖のようなものです。脳の線状体(淡蒼球系)の障害という説もあります。


チック症の人への対応の仕方

大人になると症状が固定化され治りません

 

イメージ画像 大人になってもチック症が出ている場合、すでに固定化されてしまっているので治すことはできません。子供に症状があらわれているときのみ、治すことが可能です。
 私見ではありますが、ビートたけしさん、石原慎太郎さん、池上彰さんなどは、チック症なのではないでしょうか。歴史上の人物ではナポレオンやモーツアルトがチック症だったといわれています。

叱ると悪化し、治らなくなります

 

 決して注意したり、やめさせようとしてはいけません。重くのしかかっているストレスをやわらげ、時間をかけて心のエネルギーが充電されるのを待ってやると、いつの間にか症状は消えていきます。
 言葉で注意をしなくても、不快な気持ちが仕草として現れると、症状は固定化されていきます。子供に症状があらわれると、ジロっとにらみつけたり、顔をしかめたり、わざとらしく咳払いをして無言の注意を与えてしまいがちですが、かえって固定化されていく原因になってしまいます。

完全主義的な親の子供に多い

 

 叱ることが多く、几帳面で完全主義的な育て方をする両親の子供に、よく現れる症状です。また、子どもの側にもいくらか神経質なところがあり落ち着きがなく、気の小さいところがあります。

小児精神科へ

 

 通院するのであれば、子供なら小児精神科、成人なら精神科が適切だと思います。
 先生やカウンセラーとの対話によるストレス軽減をさせる精神療法がメインで、あわせて精神安定剤を使った薬物療法がもちいられます。


トゥレット症候群

トゥレット症候群という言葉

 

 正式にはジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群といいますが、略してトゥレット症候群という場合があります。
 診断基準としては、多様性の運動チックと、1つ以上の音声チックが長期間にわたって続くチック障害です。チック症の中で最も重症のものですが、寿命に影響を与えるようなことはありません。最近ではチック症という言葉を使わずに、すべてトゥレット症候群と言うことが多いようです。

多い併発症

 

 併発症には、強迫性障害注意欠陥・多動性障害学習障害、睡眠障害、気分障害などがみられます。

運動チックと音声チック

 

 運動チックとは、自分の意志とは無関係に突然繰り返して起こる体の運動のことをいいます。発症当初は、まばたきなどの目の運動チックで、悪化するにしたがって頭、顔、手、さらに足へと広がっていくのが普通です。
 音声チックとは、たいていは咳払いや鼻を鳴らすような単純音声チックです。

発症数

 

 1万人に5人が発症すると言われ、女性に比べ男性に3〜4倍多くみられます。発症の平均年齢は7歳前後とされ、ほとんどの例が14歳までに発症します。
 神経心理学的には、IQが正常であっても注意、視空間知覚、運動機能に障害があると言われています。

治療法

 

 治療では薬物療法の有効性は高く、重症な場合には抗ドーパミン作用の強い神経遮断薬であるハロペリドールやピモジドを使用します。
 運動、カウンセリング、音楽、リラクゼーション、グループ心理療法など、ストレス軽減の方法が役立つこともあります。
 青年期・成人期に入って軽症化することもあれば、時には青年期に自然治癒することもあります。固定化されると治すことはできません。


最近の研究では・・・

最近の研究では・・・

 

イメージ画像 正確な原因や予防法は、まだわかっていません。しかし、精神的なストレスにより悪化することはわかっています。
 と、されていますが、大脳の基底核の病気で、心の病気(家庭、幼稚園、学校などでのストレスが原因)ではないと考えられています。家族での出現頻度が高く、遺伝的要因ではないかとも考えられています。
 遺伝が原因であるのか、精神的なストレスなどが原因であるのか、現在も研究されています。近年ではとりわけ欧米において盛んに研究されているようです。


管理人の闘病記

家庭環境の影響が大きかった・・・

 

 私の場合は子供時代、症状が出るたびに怒鳴られていたので、いつの間にか固定化されていきました。チックが出るようになった原因そのものが、家族環境にあったように思います。
 症状は喉を鳴らす、首を振る、鼻をすする、腹をへこます、やぶ睨みなどでした。
 大人になってからは、ひどいときはハードロックのドラマーのように首を振り、日常生活に支障をきたすこともありますが、奇人・変人扱いをされたり、いじめに遭うのが一番辛いです。他人に「おかしい」と指摘されると、意識してしまい症状が悪化してしまいます。ストレスを受けたり、身体が疲れると、症状もひどくなっていきます。

ゆっくりとした生活が必要

 

 ゆっくりとした時間の流れの中で生活をしていると、自分でも気が付かないうちに一時的ではありますが、チックが治まることがあります。
 しかし、緊張を感じて生活をしたり、ストレスを感じたり、時間に追われるような生活をしていると、いつの間にかチックが出るようになってしまいます。やっぱり治らないです(TωT)

認知されていない病気

 

 チック症、トゥレット症候群は、世間ではほとんどの人が知らない病気です。しかも医療関係者ですら知らない人が多いです。
 横須賀市にある共済病院の精神科に入院した時、看護婦はチック症の存在も名前も知らず、聞いたことがない病名なので説明を求められ、時間をかけて説明させられましたが理解できなかったようです。汐入にあるメンタルクリニックの精神科医でも、チック症の存在を知りませんでした。わざわざ自分で説明しなければならず、いくら説明をしても相手側に知識がないので理解することができず、大きな苦痛でした。
 日本国内では医療従事者への認知度ですらこのような惨状ですから、適切な治療を受けることすら難しいのが現状です。
 寿命には影響がないとはいえ、結局のところ原因不明の不治の病なので、難病や障害者の認定、医療費の助成制度などがあるといいのですが・・・

社会生活でのハンディキャップ

 

 私は専門家ではないですし、自分や自分のまわりの人、ネット上での知り合いしかいませんが、チック症の出る人には寂しがり屋の人が多いように感じます。悩んでいても理解してくれる人がほとんどいない、あるいは他の精神疾患も抱えている人がほとんどです。
 チック症、トゥレット障害があると、それだけで社会生活では大きなハンディキャップになってしまうので、とても苦労します。学校ではいじめに遭い、就職では差別されてしまい仕事内容も制限され、接客業や人と接する仕事に就くことができません。仕事でストレスを受ければ症状も悪化するので、サラリーマンとして生活していくにはほとんど不可能なのが現状です。

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