めまいが起こる時、患者さんは天井など周囲の景色がグルグル回ると訴えます。この時、実際に天井が回っているわけではなく、眼球が回っているため、周囲の景色が回っているように見えます。この眼球運動を、眼振といいます。
眼振を良く観察するためには「フレンツェルの眼鏡」を使用します。フレンツェルの眼鏡は強い凸レンズで、周りの物はぼやけて良く見えず、視線を固定できなくなる非注視状態になります。非注視状態で、弱いかすかな眼振でも、観察しやすくなります。眼振の詳しい観察は、めまいの原因を知る上でとても重要です。
耳が原因の眼振の多くは、水平性か、水平回旋混合性の眼振です。眼球はゆっくりと右か左に動いた後、急速に反対側に動いて元の位置に戻り、この動作が繰り返されます。
垂直性の眼振がみらる場合、脳、小脳、脳幹といった中枢性のめまいが特徴です。すぐにCTやMRIなどの検査が必要になります。 |