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ビタミンA過剰症


ビタミンA過剰症の概要は?
おもな急性症状
  頭痛
嘔吐
脳圧亢進症状
おもな慢性症状
  手足の疼痛
脱毛
皮膚乾燥
肝肥大
骨粗鬆症
似ている病気
  脳腫瘍
脳の病気
神経疾患
皮膚科の病気など

ビタミンA過剰症ってどんな病気?
ビタミンAは脂溶性ビタミン
  イメージ画像 ビタミンAは脂溶性(しようせい)のビタミンです。
 水溶性ビタミンは過剰に摂取しても尿として体外に排出されますが、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されるため、過剰摂取による副作用が現れます。
ビタミンAの働き
   ビタミンAは、上皮・器官・臓器の成長・分化・機能維持・生殖に関与しています。そのため、妊婦さんや乳児にとっては特に必要なビタミンです。欠乏によっては、胎児に発生異常が生じることもあります。
 視機能にも関与する物質で、欠乏すると夜盲症になります。ビタミンAにはレチノールの他、視機能と関連するレチナール、活性体でありDNAの転写調節に働くレチノイン酸があります。レチノールは体内でレチナールやレチノイン酸に代謝され、これらの代謝産物が特異的な受容体を介して、さまざまな機能を発揮しています。
 オプシンという蛋白質とレチナールが結合して、ロドプシンという物質となり、これが網膜の視細胞で可視光を検出します。
ビタミンAの適量
   私たちは、レバー、バター、ウナギなどの動物性食品からビタミンAそのものを摂取するか、緑黄色野菜のβ-カロテンやクリプトサンチンの形で摂取した後、体内でビタミンAに変換することによって取り込まれます。動物性食品中のビタミンAは、元々は植物由来のものが取り込まれたものです。  
 ビタミンAの1日所要量は、成人で0.3μgを1国際単位として、1800〜2000国際単位となっています。

ビタミンの働きは?
ビタミンの定義
  イメージ画像 ビタミンは以下のように定義されています。
@毎日摂取する昼用がある栄養素
A1日100mg以下の微量摂取で十分
B有機物
C体内でほとんど作られない
ビタミンの種類
   ビタミンは大きく分けて、水溶性ビタミンんと、脂溶性ビタミンとに分類することができます。
 水溶性ビタミンには、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、パントテン酸、ニコチン酸、葉酸、ビオチンなどのビタミンB群、ビタミンCがあります。
 脂溶性ビタミンには、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKがあります。
ビタミンの効果
   当初は、ビタミンB群の補酵素(酵素の作用発現を助ける物質)としての作用がおもに良く知られていました。
 最近になってからは、各ビタミンが生体内でさまざまな作用を持っていることが明らかになってきました。

ビタミンA過剰症の原因は?
ビタミンAの過剰摂取
  イメージ画像 ビタミンAの1日所要量は、成人で1800〜2000国際単位です。ビタミンA過剰症は、ビタミンAの過剰摂取が原因です。ビタミンAは脂溶性ビタミンのため、体内に蓄積されてしまいます。
 ビタミンA過剰症になると、血中のビタミンA値が高値を示します。
 クジラ、オヒョウ、イシナギの肝など、10万〜30万国際単位の極端に大量なビタミンAを含む食品を一度に摂取した場合、急性ビタミン中毒が起こります。
 ヤツメウナギなど、毎日、2万国際単位ほどのビタミンAを含む食品を数週間〜数ヶ月間摂取した場合、慢性ビタミンA中毒が起こります。

ビタミンA過剰症の症状は?
急性ビタミンA中毒
  イメージ画像 大量に摂取した場合、12時間前後で急性中毒症状が現れます。
 脳腫瘍が存在するかのような症状が現れ、悪心(おしん)、嘔吐(おうと)、頭痛、髄液圧上昇、大泉門の膨隆などの脳圧亢進症状(のうあつこうしんしょうじょう)・偽性脳腫瘍症状が現れます。また、皮膚の剥離(はくり)、顔面の紅潮が現れます。
慢性ビタミンA中毒
   体重の減少、吐き気、嘔吐、食欲不振、四肢の疼痛性腫脹(とうつうせいしゅちょう)、頭蓋骨の変形、興奮性、微熱、脱毛、甲状腺機能低下、肝障害、口角の亀裂、肝腫大、骨粗鬆症など、さまざまな症状が現れます。
妊娠には要注意
   ビタミンAの副作用として、催奇形性(さいきけいせい)が知られています。
 1ヶ月〜3ヶ月の妊娠初期、妊娠を希望する女性は、注意する必要があります。口唇裂などの形態異常のある子供を出産することがあります。
奇形の発症率
   ビタミンAによる奇形の発症率は、1日あたりの摂取量が5000国際単位以上で1.3%、1万5000国際単位以上で3.0%という報告があります。
 妊婦さんの1日のビタミンA摂取量は、多くても5000国際単位以内にとどめておくことが大切です。
ビタミン剤の効果は?
食生活の改善が大切
  イメージ画像 現代では、食事が不規則な人、外食やインスタント食品に頼って生活している人が増加しています。それにともなって、栄養のバランスも、大きく崩れてきてしまいます。
 偏った栄養を補うために、ビタミン剤などのサプリメントを摂るというのが、最近の大きな流れになっています。
 まったく摂らないよりは摂った方が良いのですが、やはり基本は食事になります。サプリメントで足りない栄養を補うよりも、自身の食生活を見直すことの方が大切です。
ビタミンの内容量の確認を
   最近では、さまざまな会社から、サプリメントが販売されています。
 サプリメントの中には、過剰症を引き起こしやすいビタミンAが1粒内に所要量以上含まれているものもあります。特に妊婦さんは、奇形発症の危険性が高まるので、摂り過ぎには注意が必要になります。
 継続的に服用する際には、そのサプリメントに含まれている各種ビタミンの量を確認しておくことが大切です。

ビタミンA過剰症の治療法は?
ビタミンAの摂取を中止
  イメージ画像 ビタミンA剤の投与、ビタミンAの含まれるサプリメントを中止するなど、ビタミンAの摂取を控えるようにします。

ビタミンA過剰症かなと思ったら?
ビタミンAは緑黄色野菜から
  イメージ画像 カロテノイドのうちβカロテンは、他のカロテノイドよりも転換率が高く、1分子から2分子のビタミンAに転化できます。
 ビタミンAが体内に多量に取り込まれると強い毒性を示すのに対し、その前駆体のβカロテンでは、まったくといえるほど毒性が少なく、ビタミンAの供給源として非常に有効です。
 食物中のβカロテンの場合、約30%が吸収され、そのうちの約50%がビタミンAに転化すると考えられます。
 ビタミンAは、緑黄色野菜などから摂取するように心掛けましょう。
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