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変形性腰椎症・腰部変形性脊椎症


変形性腰椎症・腰部変形性脊椎症の概要は?

おもな症状

 

腰痛
腰を中心としただるさ
脚のしびれ・冷感・熱感

起こりやすい合併症

 

腰部脊柱管狭窄症
腰椎変性後湾症


変形性腰椎症・腰部変形性脊椎症ってどんな病気?

変形性頸椎症に似た病気

 

イメージ画像 変形性腰椎症(へんけいせいようついしょう)は、変形性頚椎症(へんけいせいけいついしょう)に良く似た病態の病気です。
 変形性頚椎症のページも参考に読んでください。

背骨の5つの椎骨

 

 腰椎は、背骨のうちで腰の部分を構成する骨で、5つの椎骨(ついこつ)からなります。
 上から順番に第1腰椎、第2腰椎、第3腰椎と呼ばれ、一番下が第5腰椎となります。
 それぞれの椎骨の間には椎間板(ついかんばん)が挟まっていて、クッションのような働きをしています。
 年をとると椎間板が変性してきて弾力性が失われ、クッション作用が弱くなります。

椎骨の変化

 

 椎間板のクッション作用が弱くなると、椎骨同士がぶつかったり、椎間関節がすり減ったりすると、椎骨は刺激されて骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の突出ができたり、椎骨の並びにズレが生じて変形していきます。
 これが変形性腰椎症です。


変形性腰椎症・腰部変形性脊椎症の原因は?

年齢的な変化

 

イメージ画像 腰椎における年齢的な変化で、そのおもな原因は椎間板の変化です。
 椎間板は車のタイヤのような役割をしていますが、椎間板が変性を起こすと、タイヤの空気圧が減ったような状態になってしまいます。
 この状態で腰椎にさまざまな運動が負荷されると、その他の部分に生理的範囲を超えた負荷が加わるようになります。


変形性腰椎症・腰部変形性脊椎症の症状は?

腰痛

 

イメージ画像 進行の程度には個人差があり、症状の出方もさまざまです。
 おもな症状は腰痛です。椎間板や椎間関節に由来する腰痛で、長距離歩行時、長時間同一姿勢をとっていた時、転んだり重い物を持ったあとなどに痛むのが一般的です。何らかの誘因の直後に痛むことがありますが、高齢者の場合は2日〜5日くらいたってから痛むことも良くあります。
 痛みは、腰から臀部にかけての広い範囲に感じます。手のひらをあてて痛む範囲を示すことはできますが、指で限定できないのが特徴です。

腰の湾曲

 

 腰の骨に変形が起こると姿勢が悪くなります。
 椎間板が左右非対称に変形・変性したり、椎骨自体が左右非対称に変形することがあります。
 腰椎は、正常な状態では軽く前方に湾曲しています。しかし変形によって、後ろに曲がって後湾(こうわん)になります。腰を曲げた前屈みの姿勢になり、腰痛が起こってくる腰椎変性後湾症という病気もあります。
 側方に曲がって側曲(そくわん)が起こることもあります。

痛みがなければ問題ない

 

 椎間板や椎骨に変形があっても、痛みがなければ、とくに問題はありません。まったく症状がなく、腰のエックス線写真で偶然見付かることもあります。
 変形性腰椎症が進行し腰部脊柱管狭窄症が起こると、休み休みでなければ歩くことができなくなってしまいます。


変形性腰椎症・腰部変形性脊椎症の診断は?

エックス線検査

 

イメージ画像 腰椎エックス線検査で感染症、腫瘍、神経圧迫など、他の病気がないことを検査します。加齢的変化がみられれば、変形性腰椎症と診断できます。
 しかしその場合は、椎間板ヘルニア、腰椎脊柱管狭窄症、変性すべり症などがないことを確認します。

検査結果によって

 

 脚の痛みやしびれなど、腰痛以外の症状が出る場合は、加齢的な変化が基盤になっているので、変形性腰椎症の範疇に入ります。原因がはっきりすれば、腰椎椎間板ヘルニアや、腰部脊柱管狭窄症と診断されることもあります。
 椎骨のズレがある場合は、変性すべり症と診断されることもあります。


変形性腰椎症・腰部変形性脊椎症の治療法は?

症状がない場合

 

 症状がなければ、治療の必要はありません。これまで通りの生活を送っていてかまいません。
 症状があっても、できるだけ体を動かし、普通に生活することが大切です。安静にしすぎると、筋肉が衰えて、かえって症状が出やすくなります。高齢者では寝たままでいたりすると、立つことも歩くこともできなくなる危険があります。
 通常、安静にしているだけで症状は次第に改善されていきますが、痛みが強い場合や、なかなか改善しない場合は、病院での診察をおすすめします。
 慢性の痛みには、減量、腹筋・背筋の強化、腰や下肢のストレッチも有効です。また、日常生活上の注意、腰痛体操も、腰痛の軽減や予防に繋がります。

基本は対症療法

 

 基本的な治療法は対症療法で、日常生活に支障をきたさないようにします。
 対症療法では、腰椎の変形や変性を治すことはできませんが、老化が原因で起こっている疾患なので、手術が必要になるようなことはあまりありません。

薬物療法

 

 薬物療法では、炎症と痛みを和らげる非ステロイド性消炎鎮痛薬、筋肉のこわばりをとる筋弛緩薬、血液の流れを良くする抹消循環改善薬、神経の働きを改善するビタミンB12などの神経ビタミン剤が用いられます。
 疼痛が強い場合は、局所麻酔薬を用いて神経ブロックの注射も行われます。

温熱療法

 

 腰を温めると症状が和らぎます。そのため、家庭でお風呂に入るのも立派な温熱療法のひとつといえます。ぬるめのお風呂にゆっくりと入るようにしましょう。
 風呂上りなどに腰痛体操を行い、腰の周囲の筋肉を鍛えると、さらに効果的です。
 ホットパックや超短波を用いて、腰を温める物理療法もあります。

コルセット

 

 痛みが強いときは、コルセットの使用を勧められることがあります。

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