丘陵から山地の水辺に多く分布する落葉高木。
高さ10m〜20m、直径10cm〜50cmになります。枝張りが独特で、階段状の樹形を作ります。若い枝は紫紅色で、丸くて稜はありません。始めは毛が生えますが、のちに無毛になります。冬芽は長さ7mm〜10mmの長卵形〜楕円形です。
樹皮は、灰褐色〜灰黒色です。縦に浅い溝があります。
葉は枝先に集まって付き、互生します。葉身は長さ6cm〜15cm、幅3cm〜8cmの広卵形〜広楕円形です。先端は急に短く尖り、縁は全縁です。表面は無毛で、裏面は粉白色で、T字形の伏毛が生えます。側脈は6対〜9対で、湾曲して枝先に向かいますが、縁には届きません。葉柄は長さ2cm〜5cmあり、無毛で、上面に溝があります。
枝先に散房花序を出し、小さな白色花を密につけます。花弁は4個、長さ5mm〜6mmの長楕円形で、平開します。雄しべは4個、花色は長さ5mm〜6mmです。花柱は1個で、長さは約3mmです。果実が熟すころ、花序の枝が赤色になります。
果実は直径6mm〜7mmの、球形の核果です。6月〜10月、赤色〜紫黒色に熟します。
材は白色で節がなく、コマやコケシに使用されます。果実は野鳥に食べられ、種子が未消化のまま排出され、分布を広げる鳥散布植物です。
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