現役時代として活躍中の3トンスチームハンマーです。
国指定重要文化財スチームハンマーで、旧横須賀製鉄所に設置されていました。1865年のオランダ製ですが、1997年(平成9年)まで、在日アメリカ海軍横須賀基地船舶修理廠で稼働していました。2000年(平成12年)、横須賀市へ移管されました。
スチームハンマーは、蒸気(スチーム)を動力としてハンマーを持ち上げて落下させ、加熱された金属に打撃力を与えて鍛造作業を行う機械です。19世紀半ば、イギリスで実用化されました。鍛造は鋳造に比べて金属の強度が増すという利点がある半面、手間がかかりコストが高くなります。古くは日本では刀や火縄銃などが鍛造で作られています。
現在、ヴェルニー記念館には2台のスチームハンマーが設置されています。1865年(慶応元年)にオランダで製造され、翌年に江戸幕府が建設を進めた「横須賀製鉄所」の据え付け機械としてオランダから輸入されました。明治時代以降も改編・拡張が続けられ、「横須賀造船所」、「横須賀鎮守府造船部」、「横須賀海軍造船廠」、1903年(明治36年)〜1945年(昭和20年)までは「横須賀海軍工廠」の付属機械として稼働していました。戦後は「在日米海軍横須賀基地艦船修理廠」で使用されました。
0.5トン片持ち形スチームハンマーは、1971年(昭和46年)、横須賀市へ移管されて横須賀市中央公園で屋外展示されてきました。
3トン門形スチームハンマーは、1997年(平成9年)まで「在日米海軍横須賀基地艦船修理廠」で稼働し、2000年(平成12年)に横須賀へ移管されました。この大きさで3トンハンマなので、性能を考えると2000年まで稼働していたのが信じられないくらいの能力しかありませんが、作られた当時は最先端の技術で作られた鍛造ハンマーです。
0.5トン片持ち形スチームハンマーは、落下槌重量は約0.5トン、総重量は約12.4トン、高さ約3.2メートルです。1979年(昭和54年)、横須賀市指定重要文化財となり、1998年(平成10年)6月30日、国指定重要文化財となりました。
3トン門形スチームハンマーは、落下槌重量は約3トン、総重量は約18.4トン、高さ約6メートルです。2003年(平成15年)5月29日、国指定重要文化財となりました。
三浦半島観光地図:横須賀市深田台・中央公園 |