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肛囲皮膚炎・肛囲湿疹

肛囲皮膚炎（こういひふえん）ってどんな病気？ 肛門周囲の皮膚炎   　肛門周囲から臀部の、皮膚に起こります。 　肛門湿疹も、肛囲皮膚炎に含まれます。 　内因性の炎症、または外因性の炎症が起こります。浮腫（ふしゅ）・むくみ、出血、びらん、肥厚、色素沈着を起こし、掻痒感（そうようかん）・痒みを伴います。 　夏期と冬期に多い傾向があります。 肛囲皮膚炎の原因は？ 皮膚の抵抗力が弱くなる   　肛門周囲の皮膚は、粘膜と皮膚の境界にあり、薄くて柔らかいため、刺激に弱く傷付きやすい性質があります。 　何度も繰り返した下痢、肛門部の発汗、大便の付着など、本来は弱酸性の肛門皮膚の抵抗力が弱くなってしまい、炎症が起きてしまいます。 下痢や生理など   　成人の場合、下痢、長時間のドライブやサイクリング、ウォシュレットの使い過ぎ、他の疾患が原因で何日も入浴できないなどが原因となります。 　女性の場合、膣カンジダ症、膣炎、生理が原因となることもあります。 　幼児・子供の場合、大便後の拭き取りに問題があったり、入浴時に肛門部の洗い忘れなどが原因となることがります。 清潔にしすぎ   　近年では、衛生面への配慮や、肛門部の汚れに敏感になりすぎて、肛囲皮膚炎を起こしてしまう人が増えています。 　ウォシュレットの使用で肛門周囲の皮膚がふやけたのち、乾燥させて皮膚を傷めてしまうこともあります。入浴時に必要以上に洗うことで、痛めてしまうこともあります。 　肛囲皮膚炎になると、肛門部を清潔にしなければいけないと考え、入浴時にさらに洗ってしまい悪化させる悪循環に陥ってしまうことがあります。 肛囲皮膚炎の症状は？ 肛門部に集中する症状   　急性期には皮膚に浮腫性紅斑（ふしゅせいこうはん）が起こります。そこに漿液性丘疹（しょうえきせいきゅうしん）ができ、小水疱（しょうすいほう）から膿疱（のうほう）、かさぶたへと進行し、治癒に至ります。 　慢性化した場合は、皮膚が肥厚し、苔状になったり、色素沈着を残すこともあります。 　肛門部の痒み、ただれ、べとつき、分泌物で下着が汚れるなどです。 　就寝時に寝床に入ると痒みが気になり、耐えかねて掻いてしまうと、病変は拡大して悪化してしまいます。 区別すべき病気   　丘疹ができる場合、痛みの強い帯状疱疹（たいじょうほうしん）があります。帯状疱疹の場合、左右のどちらかに丘疹、水疱、発赤が偏在するので、診断することができます。 　区別が必要な病気には、左右のどちらか片側にできる帯状疱疹、悪性化することもあり肛門周囲の広範囲に湿疹様病変が見られるパジェット病（ページェット病）があります。パジェット病では外科手術が必要になります。 肛囲皮膚炎の診断は？ 原因の病原菌を検査   　所見によって診断は容易ですが、原因となっている病原菌の検査が必要になります。肛門部の微生物の検査には、局所の微生物培養を行います。 　細菌、カンジダなどの真菌（しんきん）、酵母、雑菌などの区別をします。 肛囲皮膚炎の治療法は？ 軟膏の塗布   　微生物培養には、結果が出るまで2週間かかってしまいます。 　検査結果が出るまでは、肛門部を清潔にして、石鹸・シャンプーなどによる刺激を加えないようにし、抗真菌薬軟膏やステロイド軟膏を塗布します。 　痒みが強い場合、抗ヒスタミン剤を内服します。 肛囲皮膚炎かなと思ったら？ 肛門科か皮膚科へ   　肛囲皮膚炎が疑われた場合、まずは肛門を清潔に洗い、アルコールや香辛料は控えるようにします。 　恥ずかしいからと医師の診察を受けず、自己判断で誤った治療を行わないようにしてください。誤った軟膏やクリームの使用で、悪化させてしまうことが多いです。真菌が原因の場合、ステロイド軟膏を使用すると悪化してしまうことがあります。 　肛門科、もしくは皮膚科を受診するようにしてください。 早目の受診を   　2年〜3年も悩まされた末、耐え兼ねて医師の診察を受けたら、肛門管内にまで炎症が広がっていたといったケースもあります。

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