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 肛門痛
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肛門痛ってどんな病気?
肛門周辺の痛み
  イメージ画像 肛門痛は、肛門周辺に発生する痛みのことです。
 原因が明らかな症候性肛門痛(しょうこうせいこうもんつう)と、原因のわからない無症候性肛門痛があります。
 原因のはっきりとしない、心因的な肛門痛が、もっとも対応が難しいものです。
さまざまな痛み
   肛門痛には、チクチク、ズキズキ、ジーンとするなど、痛みの性質があります。
 骨盤痛や直腸痛では、ズーンとした鈍痛があります。ボールがはまり込んだ感じの痛み、神経痛のような発作性の痛み、いつも便意を感じる不快感などもあります。
 痛みは排便によって変化する、長く座っていると出現する、夕方や夜間に出てくるなど、日内変動もあります。

肛門痛の原因は?
症候性肛門痛の原因
  イメージ画像 症候性肛門痛の原因には、一般的な肛門の病気から、直腸、泌尿器、仙骨(せんこつ)・筋肉・靭帯(じんたい)などの骨盤内臓器の病気、腰椎(ようつい)・脊椎(せきつい)の病気、外傷などがあります。
 具体的な原因疾患としては、痔核痔瘻裂肛、肛門小窩炎、肛門周囲膿瘍、外傷、肛門異物、肛門術後痛、肛門腫瘍(ガン、肉腫、悪性黒色腫)、直腸ガンの再発、馬尾神経炎、肛門部帯状疱疹、直腸脱、骨盤下垂症候群などがあります。
無症候性肛門痛の原因
   無症候性肛門痛の代表的なものとしては、消散性直腸肛門痛、肛門挙筋症候群、仙骨・陰部神経痛があります。
 肛門挙筋症候群では、肛門括約筋(肛門挙筋)は正常なら無意識のうちに収縮して肛門を締めて失禁を防いでいますが、過剰な収縮が原因になります。失禁への恐怖心、心身症的に無意識に過剰収縮してしまうこともあります。老化や手術で肛門括約筋の一部が弱くなると、他の括約筋が失禁を防ぐために過剰収縮してしまうこともあります。
 このほかにも、肛門神経症、術後瘢痕痛、アニスムスなどがあります。

肛門痛の症状は?
消散性直腸肛門痛
  イメージ画像 消散性直腸肛門痛は、夜間から早朝にかけて、突然、直腸肛門部に激痛が走ります。30分〜1時間、七転八倒するほどの痛みに苦しみます。肛門というより、肛門の奥の方(直腸の下)でキューと締め付けられるような激しい痛みを感じます。しかし、朝になると、何事もなかったかのように、治ってしまう痛みです。
 排便とは関係ないことが多いものの、この時、無性に便を出したい感じがするのが特徴です。排便後にひどくなる、または排便後にらくになることもあります。
 精密検査をしても、何の所見も見付かりません。
肛門挙筋症候群
   肛門挙筋症候群は、立ったり座ったりするとき、尾骨(びこつ)から骨盤底にかけて強い痛みが出るものです。
 肛門挙筋の痙攣、筋肉の肥厚が原因と考えられます。
仙骨・陰部神経痛
   仙骨神経痛・陰部神経痛の原因は不明です。
 陰部神経に沿った圧痛がある、以前に高所から落ちたことがある、尻餅を付いた、最近になって背骨が曲がってきたなど、脊柱(せきちゅう)の変化との因果関係を推測させることがあります。
心因的なものなど
   心因的なもの、全身の病気の部分現象として、神経梅毒、スモン病、脊髄腔造影、過敏性直腸、帯状疱疹後疼痛(たいじょうほうしんごとうつう)、加齢による循環障害など、多数の要因が考えられます。

肛門痛の診断は?
他の病気と区別
   肛門挙筋や陰部神経を圧迫すると、痛みを訴えることが多いです。
 痔瘻裂肛痔核と症状が似ているため診断が難しく、間違えないように検査する必要があります。そのためにも、肛門科の専門医を受診することをお勧めします。

肛門痛の治療法は?
症候性肛門痛の治療法
  イメージ画像 症候性肛門痛の治療には、原因となる病気を治療することが先決です。
無症候性肛門痛の治療法
   無症候性肛門痛の治療には、食生活の改善、運動不足の解消、ストレス解消、うつ病・認知症対策など、生活環境を変えることが、まず最初に勧められます。
 風呂に入浴すると、身体の緊張がほぐれ、筋肉が緩み、痛みが和らぎます。直腸内に便があると失禁しないように無意識に肛門括約筋が過剰収縮してしまうので、排便して直腸を空にすることも有効です。
 決定的な治療法がないため、さまざまな治療を試しながら、自分に合った治療法を見付けて行きます。なかなか良くならず、治療が長引き、ドクターショッピングを繰り返す傾向があります。
薬物療法
   薬物療法としては、鎮痛薬などの内服、座薬の挿入、軟膏の塗布を行います。座薬は挿入自体が刺激となり、症状を悪化させてしまうこともあります。
 鎮痛薬や副腎皮質ホルモン剤を加えた注射で、仙骨・陰部神経ブロックを行うことも有効です。
 精神安定剤、抗うつ薬などが効果的な場合もあります。直腸の感覚が過敏で便意を感じやすくなっている場合、精神安定剤や抗うつ薬が有効です。
手術療法
   外科的治療としては、肛門挙筋の一部を切離し、筋肉の痙攣を取ることも行われています。

肛門痛かなと思ったら?
肛門科へ
  イメージ画像 肛門科を受診すうりょうにしましょう。治療を受けても改善されないようなら、ペインクリニックへの受診が有効です。
 下剤を飲んでいる人は、症状が悪化しやすいので中止した方が良いです。過敏性腸症候群を伴うことが多いので、同時に治療する必要があります。
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