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黄熱


黄熱の概要は?

おもな症状

 

発熱
頭痛
全身衰弱
悪心(おしん)
嘔吐
蛋白尿
全身の出血

似ている病気

 

インフルエンザ

起こりやすい合併症

 

消化管出血
ショック


黄熱ってどんな病気?

黄熱と黄熱病

 

イメージ画像 黄熱と、黄熱病は同義語です。また、黄熱は通称「黒吐病」とも呼ばれています。感染症法における四類感染症に定められており、診断した医師はただちに最寄りの保健所に届け出る必要があります。
 野口英世は黄熱の研究中、黄熱に感染して死亡した話は有名です。

黄熱ウイルス

 

 黄熱はフラビウイルス属のアルボウイルスのひとつである黄熱ウイルスによる感染症です。サラハ以南のアフリカ諸国、中南米で流行しています。患者発生数は、年間約20 万人といわれています。
 黄熱ウイルスの宿主はヒトとサルです。ヒトからヒトへの直接感染はありません。
 ウイルスに感染しているネッタイシマカに刺されて感染する都市型黄熱は、アフリカだけのものです。森林性の蚊によるジャングル型は、アマゾン川流域、東部コロンビア、ペルー、ボリビアに常在しています。中南米では、しばしば発生しています。
 発生時期は蚊が多く発生する雨季に多いです。


黄熱の症状は?

潜伏期間後、突然の発症

 

イメージ画像 潜伏期間は3日〜6日です。突然の発熱、頭痛、背部痛、虚脱、吐き気・嘔吐で発症します。
 軽症型では、多くの場合、後遺症を残すことなく治癒します。
 重症型では、蛋白尿、皮下出血、鼻出血、歯肉出血、消化管出血、吐血、血便があらわれます。重症化すると、腎障害、肝障害、出血傾向(DIC)などによる多臓器不全を起こす場合があります。黄疸(おうだん)が出る場合には、致死率が高まります。
 一度罹患し回復すれば、終生免疫が得られます。


黄熱の診断は?

ワクチン接種歴など

 

イメージ画像 黄熱ワクチンの接種歴、海外渡航歴、生活様式が診断の参考となります。
 黄熱ウイルスに対する特異的な抗体価の検出、ウイルス抗原の検出、急性期血液からのウイルス分離などによって診断されます。


黄熱の治療法は?

対症療法

 

イメージ画像 特異的治療法は存在せず、対症療法が主体となります。通常は7日目くらいから、回復に向かいます。


黄熱の予防法は?

予防接種

 

イメージ画像 日本には存在しない病気です。検疫を厳重に行い、国内への侵入を防ぐことが最良の方法です。
 黄熱ワクチンで予防が可能なので、流行地に行く場合は事前にワクチンを接種をしましょう。日本では国際予防接種証明書(イエローカード)の発行権限のある指定された検疫所でのみ予防接種を受けることができます。
 流行地域への入国に際して、国際予防接種証明書(イエローカード)の提示を求められることがあります。

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黄熱の歴史―熱帯医学の誕生
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