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診断の手引き |
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間脳下垂体障害調査研究班の診断手引きに従って、検査と診断が行われます。 |
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通常の診断基準 |
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成長ホルモン分泌刺激試験は、子供にとってはやや負担のかかる検査のため、まず、左手のエックス線写真によって骨の年齢を調べます。下垂体性の低身長症では、身長年齢とほぼ一致します。
血液中の成長ホルモンの濃度は時々刻々と変化するため、1回の採血で測定しても診断できず、成長ホルモンを分泌させる薬剤を使用して血液中の成長ホルモンの濃度が増加するか調べる成長ホルモン分泌刺激試験を行います。
成長障害があり、成長ホルモン分泌刺激試験のうち2つ以上の試験で成長ホルモンの最大値が6ng/ml以下の場合、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断されます。
成長障害は、身長SDスコアがマイナス2SD以下、または2年間の成長速度SDスコアがマイナス1.5以下のいずれかです。
成長ホルモン分刺激試験では、インスリン、アルギニン、グルカゴン、クロニジン、Lドーパ、GHRP-2が検査されます。 |
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その他の診断基準 |
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新生児期に成長ホルモン分泌不全と考えられる低血糖がある場合、他の下垂体ホルモン分泌不全がある場合、脳腫瘍などがある場合、1つの成長ホルモン分泌刺激試験で6ng/ml以下(GHRP-2負荷では16ng/ml以下)なら、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断します。 |
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重症度 |
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すべての成長ホルモン分泌刺激試験で、成長ホルモン最大値が6ng/mlを超える場合は、軽症に分類します。
最大成長ホルモン頂値が3ng/ml〜6ng/mlの場合、中等症に分類します。
成長ホルモン最大値が3ng/ml(GHRP-2負荷では10ng/ml以下)の場合、重症に分類します。 |
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その他の検査 |
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インスリン様成長因子-I(IGF-I)の低値、IGF結合蛋白3(IGFBP-3)の低値、骨年齢が暦年齢に比べて80%以上の遅れ、尿中成長ホルモンの低値、睡眠時や24時間の成長ホルモンの分泌低下などがみられます。
原因を調べるため、頭部MRI検査が行われます。 |