心因性失声症

心因性失声症の概要は？

おもな症状

声が出ない、話せない
声が出てもかすれたり、しわがれ声になってしまう

症状が似ている病気

失語症

起こりやすい合併症

過換気症候群（過呼吸症候群）
心因性難聴（機能性難聴）

心因性失声症ってどんな病気？

突然声が出なくなる

　３０歳以上の女性に多くみられる病気です。突然、声が出なくなるため、周囲の人たちも驚きます。
　転換性障害や、解離性運動障害と呼ばれる病気のひとつが失声症です。

失語症は脳の病気

　よく似た症状の病気に失語症がありますが、失語症は脳血管障害などの脳の病気が原因によって起きる病気です。

失声症の有名人

　美智子皇后が失声症になったことがあるらしいです。

心因性失声症の原因は？

心理的なものです

　声が出なくなる原因は、心理的な要因によることが多いです。
　心理的に厳しい立場に立っているとき、欲求が満たされないとき、心理的な葛藤があるときに発症します。

ヒステリー性失声症ともいわれます

　患者さんの性格を分析すると、周囲への依存性が高く、自己顕示欲が強いなど、ヒステリー性格を持っていることが多いです。そのため、ヒステリー性失声症とも呼ばれています。

心因性失声症の治療法は？

心理的な原因を見つけること

　放っておいても自然治癒することが多い病気です。
　なかなか治らなかったり、繰り返す場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。声帯などに異常がないことがわかれば、精神科や、心療内科を紹介してもらってください。
　まずは、原因になっている心理的な要因を見付けることが大切です。
　治療は、医師の説明を受け、この病気をよく理解することから始まります。

発声の訓練と、心理療法

　治療はおもに、発声の訓練と、カウンセリングなどによる精神療法の２つの治療法を行います。
　治療効果が高いため、病気はだいたい１週間くらいで比較的すぐに治ります。
　精神安定剤を用いることもあります。