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 過換気症候群・過呼吸症候群

過換気症候群(過呼吸症候群)の概要は?
おもな症状
  呼吸器系
    呼吸困難発作。具体的には、「息がうまく吸えない」、「空気が肺に入っていかない」などの表現で表します。
  神経・筋系
    テタニー型の強直性痙攣
口唇のしびれ感
  循環器系
    動悸
胸部の圧迫感
狭抱感など
症状が似ている病気
  ヒステリー
てんかん
喘息発作
低血糖発作
副甲状腺機能低下症

過換気症候群(過呼吸症候群)ってどんな病気?
精神的なことが原因で起こる呼吸困難
  イメージ画像 過換気症候群は、精神的、または身体的ストレスを誘引として起こる発作性の呼吸困難です。特定の病気というよりも、ある状態像を意味し、いろいろな病気が原因で過換気発作を起こします。
過呼吸状態なのに、呼吸不全感があります
   突発的に、不必要な過剰換気を繰り返し、過呼吸状態にもかかわらず、空気が吸い込まない呼吸不全感、不安感をおぼえます。
 高度の呼吸性アルカロージス(pHが上昇し血液がアルカリ性になること)になるため、身体的にも、精神的にも、多彩な臨床症状があらわれます。
若い女性に多くみられます
   とくに若い女性に多くみられます。男性の2倍以上で、日常の外来診療でも数%前後にみられる病気です。また、夜間に、救急車で搬送される人の約30%が、この過換気発作によるものといわれています。

過換気症候群(過呼吸症候群)の原因は?
精神的な不安定が原因です
  イメージ画像 不安感があり、おもに精神不安定にもとづく不安症候群によって、過呼吸による過換気発作を起こします。発作にともなう生化学的変化や、生理学的変化によって、多彩な症状が起こります。
 また、これらの症状が、上位中枢の反射や、不安感を助長して、悪循環を生じさせてしまいます。

過換気症候群(過呼吸症候群)の症状は?
死への恐怖心が芽生えてしまいます
  イメージ画像 呼吸が促進して、実際には過呼吸の状態が続いているにもかかわらず、空気の飢餓感や、呼吸困難を感じます。
 「空気が入っていかない」、「呼吸ができない」など、窒息感とは違いますが、呼吸困難発作が増悪していきます。それとともに不安感が加わって、胸部圧迫感や、胸痛、心悸亢進(動悸、心臓がドキドキする)、さらに死への恐怖感などがともないます。
 ほとんどすべての例に、四肢末梢や、顔面、口唇周囲のしびれ感などの知覚異常の訴えがみられます。約半数には、テタニー型の強直性痙攣発作がみられます。脱力感、意識混濁などもみられます。
悪循環にはまってしまいます
   これらの症状の出現は、不安や、恐怖を招き、一層、過呼吸運動を促してしまう悪循環になってしまいます。
30分〜1時間で発作はおさまります
   発作持続時間は、30分〜1時間くらいのものが最も多くなります。息をこらえたり、紙袋で口と鼻を覆い反復呼吸をすることによって、症状はやわらぎます。
健常者は過呼吸になっても症状があらわれません
   一般の健常者では、過呼吸で血液ガスに変動がみられても、症状はあらわれません。
 過換気症候群の患者では、血液ガスの変化に敏感な身体条件を持っているため、過呼吸テストを行うと3分以内で発作を誘発することができます。
 確定診断は発作時の血液ガス検査で、動脈血二酸化炭素圧の著明な低下と、pHの上昇が認められます。

過換気症候群(過呼吸症候群)の治療法は?
発作時の対応と、発作の防止
   発作時の対応と、発作の誘発を防止する対応とに分けて考えます。
  発作時の対応
     発作時、または過呼吸テストで発作を誘発させたとき、紙袋反復呼吸や、息こらえ方法を体験して、発作がやわらずことを体験して学習していきます。
  発作の予防
     発作の予防対策として、患者に過換気症候群の心身症的な特徴について詳しく説明し、生活指導を行います。
 また、精神安定剤の投与が有効で、大部分の症例では、適切に対応すれば、全治、または軽快します。
 しかし、性格的異常者や、典型的なヒステリー性格者では、長年にわたり発作が持続することもあります。

過換気症候群(過呼吸症候群)かなと思ったら?
病気について理解することが大切です
   機能的疾患ですから、生命的予後は良好であることを十分に納得したうえで、呼吸性理学にもとづいた病態についてよく理解することが大切です。発作が起こっても、紙袋反復呼吸で容易におさまることも学習します。
 過換気症候群は情緒不安定や、不安状態などで誘発されることが多いため、普段から心理療法や、精神科医による精神分析、自律神経訓練法をおこない、不安の解消に努めます。
外来で治療できます
  イメージ画像 通院は、内科、呼吸器内科、心療内科が適しています。入院の必要もなく、外来で治療が可能です。
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