2つの分類
てんかんには大きく分けて、発作の開始時に脳の両側からてんかん性の興奮が出現する「全般てんかん」と、発作は傷の周囲の特定の電気回路から始まる「局在関連てんかん・部分てんかん」の2つに分類できます。
さらにそれぞれのてんかんは、原因のあるなしによって、原因のある「症候性てんかん」と原因が特定できない「特発性てんかん」とに分類されます。
まれなてんかんとしては、症候性と考えられても原因がはっきりしていないてんかんは、原因がもぐっているとして「潜因性てんかん」と呼ばれます。これは、部分てんかんにも全般てんかんにも少ないですが存在します。
全般てんかん |
部分てんかん
局在関連てんかん |
症候性全般てんかん |
症候性部分てんかん |
特発性全般てんかん |
特発性部分てんかん |
潜因性全般てんかん |
潜因性部分てんかん |
局在関連てんかん
ムカムカする、光が見えるといった数秒〜数分の前兆や、手や顔面の片側が、意識がなくなる前に痙攣するといった症状がある場合、局在関連てんかんが疑われます。また、痙攣したあとで半身の麻痺が残るような場合も、局在関連てんかんが疑われます。
このような症状がなく、急に意識がなくなったからといって、全般てんかんと診断することはできません。
局在関連てんかん
意識が急になくなっても、しばらく口をモゴモゴとさせたあとで意識がないのに動き回るような場合には、局在関連てんかんの可能性が高く、見分けるためには専門家の問診が必要です。
年齢による差異
発症年齢が乳児期・幼児期の場合には、比較的難治の症候性潜因性全般てんかん(しょうこうせいせんいんせいぜんぱんてんかん)の場合があります。
発症年齢が学童期以降の場合には、発作のやわらぐ寛解率が高く、予後の良い特発性全般てんかん(とくはつせいぜんぱんてんかん)の可能性が大きくなります。
予後の良いてんかん
局在関連てんかんの中でも、乳児期〜学童前期にかけて、とくに夜間睡眠時に発作が起こる特発性局在関連てんかんは、成人すれば自然治癒する極めて予後の良いてんかんなので、安心のためにも診断をきちんとつけてもらう必要があります。
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