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 口腔カンジダ症

口腔カンジダ症ってどんな病気?
真菌の一種
  イメージ画像 ヒトの口腔に棲むカンジダ菌という真菌(しんきん)によって、おもに小斑点状の苔(こけ)のようなものが生じる病気です。
 全皮膚粘膜カンジダ症患者の約7%を占めます。

口腔カンジダ症の原因は?
口の中の常存菌
  イメージ画像 カンジダ菌(おもにカンジダ・アルビカンスという菌)の感染によって生じます。
 カンジダ菌は、30%〜40%の人の口腔に常在しているので、体の抵抗力・免疫力・感染防御機能が低下した時や、カンジダ菌に効かない抗菌薬を長期にわたって投与された場合に発症します。
 成人では、常在菌として保菌していたカンジダ菌の増加と、形態変化で発病します。
乳幼児では
   普通は、高齢者や乳幼児に発症します。
 乳幼児に生じる鵞口瘡(がこうそう)の場合、他の人(おもに母親)からの感染とされています。全身的な問題はほとんどありません。
 新生児や乳幼児は、もともと感染に対する抵抗力が弱いため、母親が外陰カンジダ症や膣カンジダ症にかかっていると、原因菌が直接感染することもありますし、良く消毒しなかった哺乳ビンや乳首から感染することもあります。
高齢者では
   義歯・入れ歯の手入れが良くないと、義歯・入れ歯の下にカンジダ菌の増殖が起こることがあります。
全身疾患から
   皮膚カンジダ症以上に、全身的な要因が問題となります。糖尿病、ガンの放射線治療や化学療法、ステロイド薬や抗菌薬の長期服用、エイズなどの免疫不全症などが誘因になります。とくにHIV感染者では、初期症状として重要です。
 また、唾液が少なくなる、入れ歯の入れっぱなし、口腔清掃の不良なども誘因となります。

口腔カンジダ症の症状は?
大きく2種類に分類
  イメージ画像 口腔カンジダ症の症状はさまざまです。
 口の中に白い苔状の物ができる偽膜性カンジダ症と、粘膜が赤くなる萎縮性カンジダ症とがあります。
偽膜性カンジダ症
   多くは偽膜性カンジダ症で、頬、舌、唇、歯茎の粘膜に、乳白色の苔状の物ができます。
 ぬぐうと取れて、その下の粘膜は赤くなっています。舌の疼痛、違和感、味覚異常をともなうことがあります。高齢者では本人が自覚していないこともあり、乳幼児例では多くは軽症です。放っておくと口全体に広がりますが、熱などの全身症状もほとんどありません。
 口角に浸軟(しんなん)した鱗屑(りんせつ)やびらん・ただれをともなう、発赤局面を示すこともあります。これはカンジダ性口角びらん症と呼ばれます。
萎縮性カンジダ症
   粘膜が赤くなる萎縮性カンジダ症は、入れ歯の下の粘膜に生じることが多く、その場合は、義歯性口内炎とも呼びます。

口腔カンジダ症の診断は?
カンジダ菌の確認
  イメージ画像 症状から診断しますが、カンジダ菌が証明されれば診断は確定します。
 直接鏡検(顕微鏡による検査)KOH法で行います。菌要素は比較的検出しやすい病気です。綿棒でこすり、それをスライドグラスに塗った検体でも、菌を確認できます。

口腔カンジダ症の治療法は?
内服薬
  イメージ画像 イトラコナゾール(イトリゾール)が有効です。特殊な内服薬としては、口腔・食道カンジダ症用で、ほとんど吸収されないミコナゾール(フロリード)ゲルがあります。1日1本〜2本を4回に分けて内服します。
外用薬
   口腔カンジダ症では、病変部に薬を塗るだけでも有効です。カンジダ菌に有効な抗真菌薬のミコナゾール(フロリードゲル)を口腔内に塗布します。
原因疾患の治療
   原因となる病気があれば、その治療を行い、全身状態の改善を図ります。
再発しやすい
   多くの場合、1週間程度で症状が治まりますが、再発しやすい病気なので、自己判断で薬を中止しないようにします。

口腔カンジダ症の予防法は?
吸入ステロイド薬を長期に投与している人
  イメージ画像 喘息で長期にわたってステロイド吸入をしている人は、喉にステロイド薬が沈着してカンジダ菌が付着しやすくなります。
 ステロイド薬を洗い流すためにも、吸入後にうがいと歯磨きをしましょう。また、吸入補助器を使うと、喉にステロイドが沈着しにくくなります。
歯磨き・うがい
   口の中は、温かく湿ったところが好きなカンジダ菌の温床です。また、歯垢は微生物の塊です。
 日頃からうがい、歯磨きをきちんと行い、口の中を清潔に保つことが大切です。
食事はきちんと
   食事は栄養を補給するだけでなく、唾液を分泌させて口の中を清潔な状態に保つ役割もあります。
 食事の量、回数が少ないお年寄り、寝たきりの人、不規則な食生活の人は、特に気をつけるようにしましょう。
身体の不自由な人
   寝たきりの人、痴呆の人では、自分で口腔ケアを十分にすることができないため、家族や周りの人が気にかけて、まめにケアしてあげるようにしましょう。
義歯は清潔に
   義歯・入れ歯をしている人は、義歯・入れ歯を常に清潔に保つように心がけましょう。
 就寝時は外して、休みましょう。

口腔カンジダ症かなと思ったら?
口腔外科・内科
  イメージ画像 味覚異常の原因になっていることもあります。また、本人が自覚していないこともあるので、舌などの口腔内に違和感がある時は、真菌検査を受けるようにしましょう。
 口の中を清潔に保ち、消毒力のあるうがい薬を使ってみます。
 それでも治らない場合、または全身状態が悪い場合には、食道や肺に感染が広がることもあるので、口腔外科や内科などを受診し、治療を受けるようにしましょう。
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