南米アンデス山脈の高地原産の多年草の野菜。
高さは0.5m〜1mになります。若い茎の断面は円形ですが、成長につれて角張り3稜〜5稜の稜翼が発達します。茎葉は多汁質で、特有の臭気があります。
地下茎の先端に、肥大した塊茎(芋)を形成します。芋は多量のデンプンを蓄え、食用になります。
葉は互生し、3対〜4対の小葉からなる奇数羽状複葉です。生育初期の下葉は、単葉です。
葉の付け根から花茎を長く伸ばし、先端に多数の花を付けます。萼は5枚で短く、花冠は星形に5裂します。花冠の色は品種によって、白色、黄色、淡紫色などがあります。
結実することはまれですが、果実はトマトに似た直径1cm〜2cmの球形です。熟するに従って緑、黄色、赤へと変色します。果実内部は2室に分かれており、100個〜400個の種子があります。
日本には1601年(慶長6年)、ジャワのジャカルタから長崎県平戸に渡来しました。男爵、メークイン、雲仙、農林1号、ケネベックなど多くの品種があります。冷涼な気候を好み、育成期間も短く、痩せた土地でも栽培可能で、栽培適地が多く、年間を通じて広く作られています。国内では北海道、海外では中国、アメリカ、ロシア、ポーランド、ドイツで盛んに栽培されています。連作障害が発生しやすく、ジャガイモシストセンチュウの被害が問題になります。欧米では主食とする地域もありますが、日本では茹でたり蒸したりして食べるほか、マッシュポテト、ポテトチップス、デンプンを取るために利用されます。ビタミンやデンプンが豊富に含まれ簡単な調理で食用になることから、江戸時代に発生した飢饉では、穀類の代用としてジャガイモやサツマイモが食べられ、多くの人を飢餓から救っています。食用にあたっては、芽や緑色部に多いソラニンによる食中毒に注意が必要です。 |