ヨーロッパでは、ナス科のベラドンナ(オオカミナスビ)、ダツラ(チョウセンアサガオ)、ヒヨスなどの植物は、鎮痛薬・鎮痙薬(ちんけいやく)として使用されていました。
これらの植物のアルカロイドには、抗コリン作用があるため、瞳孔散大、制酸、鎮痛に使用されています。
チョウセンアサガオは、ゴボウと間違えた食中毒が起こります。ベラドンナアルカロイドが含まれ、食後30分〜2時間後に、体のふらつき、だるさ、眠気が現れます。不安、せん妄、失見当識(しっけんとうしき)、幻覚、活動亢進などが現れ、統合失調症の急性期や、急性アルコール中毒と間違えられ、病院に収容されることもあります。
ヒヨスシアミンは、量が多いと狂騒状態(きょうそうじょうたい)を引き起こし、呼吸麻痺によって死亡してしまいます。
江戸時代の外科医、華岡青洲の麻酔薬には、通仙散と命名したマンダラ葉(ダツラ)が処方されたと言われています。
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