インド〜東南アジアの熱帯地方原産の一年草の農作物。1種の野生種より生じたとされる単元説と、2種以上の野生種の交雑を経て栽培イネになったとする多元説とがあります。
茎は基部で多数に分枝し束生し、高さ約1mになります。果実が完熟すると、ヒコバエを出します。
節ごとに細長く薄い葉を1枚、出します。筋状の葉脈があります。
茎で生長点が分化し、葉鞘に包まれた初穂ができ、30日後に出穂します。穂には100個内外の小花がつきます。雄しべ6本、雌しべ1本、柱頭は羽毛状で2つに分かれます。出穂当日〜翌日の午前中に開花し、風媒花に分類されますが自家受粉します。
種子は開花後30日〜40日で完熟します。籾の先端には芒があります。、
イネ栽培の発祥地は、東南アジアの熱帯〜亜熱帯地方とする説がもっとも有力です。そして東アジア、西アジア、地中海沿岸、17世紀にはアメリカ大陸へと伝わりました。日本へは紀元前3世紀ごろ北九州に渡来しました。イネの品種は非常に多くありますが、外米と呼ばれる米粒が大型で細長く砕けやすいインド型と、丸く砕けにくく粘りのある日本型に大別され、それぞれにうるち米ともち米とがあります。水の要求量によって水稲と陸稲がありますが、同一種です。日本では水稲日本型うるち米が全収穫量のほとんどを占めています。稲作は北緯50度〜南緯35度で行われ、日本では水稲栽培が一般的です。春苗代に種子を蒔き、40日後に田植えをします。
病気では、もっとも被害が大きいのがいもち病です。害虫ではニカメイチョウ、サンカメイチョウなど120種以上あります。 |