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サルスベリの雄しべ


サルスベリの雄しべ

[和名・種類]

サルスベリ

[学名]

Lagerstroemia indica

[英名]

Crape myrtle

[名前の由来]

猿滑り。幹がなめらかで猿も足を滑らせてしまうことから。
別名、ヒャクジツコウ(百日紅)。100日近くに渡って、花が咲き続けることから。

[分布]

中国南部原産

[科名]

ミソハギ科サルスベリ属

[花色]

紅色白色紫色

[花期]

7月8月9月10月

[特徴・解説]

 中国南部原産の落葉小高木です。
 大きいものでは、高さ10m、直径30cmになります。樹皮は淡紅紫色でなめらかです。薄く剥げ落ち、淡い色の木肌が現れます。本年枝は灰褐色で無毛で、狭い翼のような稜が4個あります。側生する枝は、短枝化しやすいです。冬芽は長さ2mm〜3mmの卵形で、先端は尖ります。芽鱗は赤褐色で1対〜2対あります。葉痕は半円形で小さく、やや隆起します。
 葉は対生、または互生、ときに左右交互に2個ずつ並びます。葉身は長さ2.5cm〜5cm、幅2cm〜3cmの倒卵状楕円形です。先は鈍く、ふちは全縁です。両面とも無毛で葉柄はほとんどありません。
 花期は長く、直径3cm〜4cm、桃色、紅色、白色などがあります。花弁は6個で団扇形、下部は細長く、上部は直径約1.3cmの円形で、ふちは縮れて波打ちます。オシベは多数あり、外側の6個が長く、葯は紫色です。内側のオシベの葯は黄色です。
 果実は直径約7mmの刮ハです。熟すと6裂し、種子は長さ4mm〜5mmで広い翼があります。
 江戸時代以前に渡来し、公園樹や街路樹などとして、各地に植栽されています。材は土木材、器具材などに利用されます。

[観察・感想]

 サルスベリの花、雄しべの写真です。
 サルスベリの花の花弁は、変わった形をしています。根元部分はとても細いのに、先端部分は大きく広がっています。団扇(うちわ)のような形って言った方がわかりやすいかな?だから、中心部分だけを撮影しようとすると、細長い棒状の花弁の写真になってしまうんですよ。
 サルスベリの雄しべは、2種類あります。先端が黄色いのが、1種類の雄しべ。黄色の花粉で、昆虫たちを呼び寄せるための花粉です。先端が黄色い雄しべの花粉は、受粉しても結実しないんですよ。受粉して結実させるための花粉は、クルクルっとなった雄しべに付いています。この雄しべは、先端は緑色っぽい黄色で、花弁と同じ数の6個あります。この写真にも写っているんだけど、ピントが合ってないのでわかりづらいかもしれないです。
 雌しべは、1本です。長く飛び出ているんですが、雌しべもクルクルってカールしているので、わかりづらいですよね。
 受粉するための雄しべと、雌しべ、なぜカールしているのかというと・・・。集まってきた昆虫の身体に花粉を付けて、付けた花粉を雌しべに付けさせようという戦略が見てとれます。まるで、野村ID野球のような緻密な計算。
 しかも、サルをも滑らせる樹皮を持つという、かなりの曲者。おぬし、なかなかやりおるのぉ〜。

[写真撮影]

2008年08月19日

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