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感染部位によって異なる症状 |
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菌が産生する毒素によって、発熱や全身症状が現れます。
感染する部位によって症状が異なり、以下の病型に分類されます。 |
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鼻ジフテリア |
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鼻の中の粘膜に偽膜ができ、鼻が詰まります。
鼻の入り口がただれ、鼻水に血液が混じることもあります。
乳児に起こりやすい病型ですが、頻度は少ないです。 |
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扁桃・咽頭ジフテリア |
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急に38度〜39度の高熱が出て、咽喉が赤く腫れて痛み、扁桃が灰白色の偽膜で覆われます。
悪性の場合は、首のリンパ節も腫れて痛みます。
ジフテリア菌の毒素で心臓の筋肉も侵されて、血圧が下がり、発病後1週間〜2週間で死亡することもあります。 |
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喉頭ジフテリア |
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発熱が38度前後あり、咳が出ます。
しだいに声が枯れはじめ、犬が吠えるような咳が出ます。
偽膜が喉頭に広がり、気管が狭くなるため、息を吸うたびにゼイゼイと言わせます。呼吸困難によって死亡することもあります。
以前は、ジフテリアによる急性喉頭炎を真性クループと呼んでいました。 |
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その他のジフテリア |
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まれなケースとしては、目の結膜、皮膚、新生児の臍(へそ)、女の子の陰部などに菌が病変を作ることもあります。 |
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合併症 |
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後麻痺(あとまひ)、それにともなう肺炎、心筋障害による血圧の低下や心不全、ネフローゼなどがあります。
ジフテリアの後麻痺は、菌の毒素の作用で起こる運動神経の麻痺で、発病後2週間〜3週間たった頃に起こります。部位は軟口蓋の麻痺が多く、鼻声になったり、飲食物がうまく飲み込めずにむせたりします。眼筋に起こると、物が二重に見えます。手足の筋肉に起こると、歩行がうまくできなくなります。
後麻痺は、長く残ることはまれで、3週間くらいで回復に向かいます。 |