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百日ぜき症候群


百日ぜき症候群の概要は?

おもな症状

 

連続性の咳
水様性鼻水
発熱
呼吸性笛声(こきゅうせいてきせい)

症状が似ている病気

 

急性気管支炎(きゅうせいきかんしえん)
細気管支炎(さいきかんしえん)
間質性肺炎(かんしつせいはいえん)
パラ百日咳(ぱらひゃくにちぜき)
マイコプラズマ感染症

起こりやすい合併症

 

肺炎
無気肺(むきはい)
肺気腫(はいきしゅ)
脳症(のうしょう)
鼻出血(びしゅっけつ)
喀血(かっけつ)


百日ぜきってどんな病気?

乳幼児で問題になる病気

 

 百日咳菌感染が気管支粘膜などの気道粘膜に感染することによって、幼少児にかかる急性呼吸器系伝染病です。
 百日咳菌に感染すると、気道粘膜が剥がれ落ち炎症が起きます。その結果、痰を吐き出すことが困難になり、ちょっとした物理的刺激で咳発作が誘発されます。
 けいれん性の咳発作が長期間続きます。一度病気に感染すれば、終生にわたって免疫が得られます。


百日ぜきの原因は?

感染力が非常に高い

 

 百日咳の感染者が、呼吸器粘膜に付着した百日咳菌を咳などによって喀出して、百日咳に感受性のある人に飛沫感染します。
 家庭内では、非常に高い確率で二次感染します。伝染力は、麻疹(ましん・はしか)水痘(すいとう・みずぼうそう)に匹敵する強さを持ちます。


百日ぜきの症状は?

潜伏期間は1週間

 

 潜伏期間は約7日間です。
 生後2ヶ月〜3ヶ月の乳児が風邪をひくのはめずらしいので、生後半年未満の乳児がかぜ症状を示したら、百日咳に感染している可能性があります。

長く続く咳

 

 潜伏期間を過ぎると、症状は咳で始まります。
 約1週間〜2週間後のカタル期には、次第にくしゃみ、鼻水が出るようになります。
 約2週間〜6週間後の痙咳期(けいがいき)に移行すると、連続性の咳発作、吸気笛声などの症状が現れます。咳の発作が長引くと呼吸困難になり、低酸素状態に陥るとけいれんなどの中枢症状が出現し、脳細胞に損傷を与えることがあります。とくに乳児期においては生命にも関わる病気です。
 その後、1週間〜3週間で回復期になり、症状は次第に回復していきます。


百日ぜきの治療法は?

抗生剤で治療

 

 マクロライド系、テトラサイクリン系の抗生剤を、早いうちに内服すると効果的です。

痙咳期にはステロイドやガンマグロブリン

 

 痙咳期には入院して、ペントシリンやセフォペラゾンといった百日咳菌にすぐれた効果をもつ抗生物質の静脈内注射を行います。副腎皮質ホルモンや、百日咳菌の産生する毒素を中和するガンマグロブリンの静脈内注射を併用する治療も行われています。


百日ぜきかなと思ったら?

まずは診察を

 

 咳がひどくなるような時は、できるだけ早めに医師の診察を受けましょう。

家庭内での過ごし方

 

 咳や嘔吐を誘発するために、栄養のある食事を少量ずつ何回にも分けて食べてください。刺激の強い食事は禁物です。
 空気が乾燥して、寒暖の差の激しい環境は避けるべきです。
 過度の運動は避け、精神的のみ、肉体的にも、安静にすることを心がけます。


百日ぜきの予防法は?

ワクチン接種

 

 通常は三種混合ワクチンによって免疫確保を図る方針になっています。

予防的に抗生剤を

 

 感受性のある人は、百日咳患者には近付かないこと。感染の危険が高いときは、抗生剤を予防的に投与するなどで、感染を予防することができます。

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