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診断と原因 |
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急性気管支炎の検査は、気管支炎の診断と原因微生物の診断の2つの目的で行われます。
インフルエンザや百日咳などの特種な場合を除いて、原因微生物診断のための検査は通常は行われません。 |
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気管支炎の診察 |
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気管支炎は明確な診断基準といわれるクライテリアはなく、症状と肺炎の否定によって行われます。
急激に痰と咳の症状が現れた患者さんでは、肺炎の否定のためには診察と胸部エックス線検査が必要となります。
聴診で、湿性ラ音と呼ばれる粒の大きな水泡音が主体で、肺野末梢に雑音が聞かれず、胸部エックス線像でも陰影が認められなければ、気管支炎と診断します。その発症が急性であれば、急性気管支炎と診断します。 |
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細菌の検査 |
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原因微生物の診断のための検査は、急性気管支炎がウイルスによって発症することが多いため、あまり有効ではありません。
ウイルス以外のマイコプラズマやクラミジアも同様で、細菌学的に迅速で有用な検査法がありません。
血清学的診断法としては、抗体価を測定する方法があります。最近では、マイコプラズマは迅速にIgM抗体を検出する方法が開発されましたが、気管支炎そのものは疾患が重症化することが少ないため、肺炎と違って気管支炎で使われることは少ないです。 |
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インフルエンザ |
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インフルエンザによる気管支炎の検査は例外で、鼻腔、咽頭ぬぐい液から抗原を検出する迅速診断法が行われています。
インフルエンザでは高い発熱がみられ、高齢者では重症化することもあります。有効な治療薬があるため、迅速に検査が行われています。 |
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百日咳 |
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細菌性の気管支炎として重要なものに、百日咳があります。長く続く頑固な咳の場合に疑われます。
予防接種歴がない、または罹患歴(りかんれき)がない場合は百日咳が疑われます。専用のボルデージャンク培地で細菌培養を行い、確認をします。 |