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おもな治療法は2つ
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社会不安障害の治療法には、薬物療法と、精神療法があります。2つの利用法は、単独で行われたり、併用して行われたりします。
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薬物療法
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薬物療法は、不安感情を抑えることを目的として、学校や職場を避けるなどの回避行動を減らして、不安時の身体的症状の緩和を図ります。
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SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
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神経細胞間のセロトニンの量のバランスを保つ薬です。
効果が現れ始めるまで、1週間〜2週間ほどかかります。3週間〜2ヶ月のうちに、次第に症状が改善していきます。
副作用は、始めの1週間にあらわれることが多く、その後、軽減していきます。
症状が十分に改善したあとも、1年以上の継続的な服用が必要です。
第一選択で用いられるケースが多い薬です。欧米では、積極的に治療に利用されていて、その効果は日本でも認められています。
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ベンゾジアゼピン系抗不安薬
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SSRIよりも即効性があるため、SSRIの効果があらわれるまでの補助的用法としてもちいられます。また、頓服用としても用いられます。
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β遮断薬
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元々は高血圧症などに用いられる循環器系の薬です。ヨーロッパでは多く用いられています。
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精神療法
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精神療法は、認知療法と、行動療法を組み合わせて治療が行われるのが一般的です。
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認知療法
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不安な気持ちが起こるメカニズムを勉強し、不安感を引き起こしてしまうパターンを修正できるようにするのが認知療法と呼ばれるものです。
周囲の人の目や、自分の能力を再確認し、不安が発生していた状況の認知を改めます。同時に呼吸法や、リラックス法、上手な話し方など、不安状況への対処法も合わせて学習していきます。
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行動療法
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不安が生まれる状況にあえて飛び込んで、刺激に身をさらす『曝露療法(エクスポージャー)』を行います。
段階的な目標に沿って、じょじょに身体を慣らしていき、不安症状を改善していきます。
社会不安障害の場合、認知療法と行動療法をグループで行う『集団認知行動療法(CBGT)』も、一般的に行われます。
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