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PSP |
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麻痺性貝毒中毒は、Paralytic Shellfish Poisoningの頭文字をとって、PSPと称されます。Play
Station Portableの略ではりません。 |
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有毒プランクトン |
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麻痺性貝毒中毒は、渦鞭毛藻の有毒プランクトンが産生する強力な神経毒です。
日本で問題になる有毒プランクトンは、アレキサンドリウム・カテネラ、アレキサンドリウム・タマレンセ、ジムノジニウム・カテナタムの3種です。
毒を持った貝は、出荷規制などの処置がとられます。 |
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赤潮発生時に取り込まれる |
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有毒プランクトンによる赤潮が発生した時、プランクトンをエサにしている二枚貝が、プランクトンから麻痺性貝毒を取り入れ、おもに中腸腺に蓄積します。
ホタテガイ、アサリ、カキ、ムラサキイガイ、ヒラオウギ、ヒオウギガイ、キンシバイ、マボヤなどが原因となります。
麻痺性貝毒成分のサキシトキシン類、ゴニオトキシン類は、TXTと同様にナトリウムチャンネルを特異的にブロックします。 |
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症状はフグ毒と似ている |
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加熱調理しても、無毒化されません。
中毒症状は、フグ中毒とほとんど同じです。
食後30分程度で、知覚神経が麻痺し、舌や唇がしびれます。さらに、しびれは顔全体に広がり、灼熱感を覚え、やがて首から手足まで広がります。次いで、筋肉を動かす運動神経が麻痺し、骨格筋も麻痺していき、手足を動かすことが困難になります。
中毒が激しい場合、身体を動かすことも、話すことも、唾液を飲み込むこともできなくなります。最後に肋間筋や横隔膜が麻痺するため、呼吸不全を起こし死に至ります。心筋は麻痺しないため心停止は遅れ、中枢神経も麻痺しないので、最後まで意識はあると言われています。
12時間以上経過すれば、毒は代謝され、症状は回復に向かいます。フグ毒と同様に解毒薬がないため、人工呼吸で窒息を防ぐなどの治療が行われます。 |
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原因となる貝類 |
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