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食事と運動と薬 |
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薬物療法は、食事療法+運動療法がきちんと行われても改善がみられないときに開始します。薬の服用を始めたからといって食事療法と、運動療法をおろそかにすると、薬は効果を発揮してくれません。食事療法と、運動療法を併せて行ってください。 |
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薬は指示どおり |
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薬は指示された用法・用量をきちんと守って服用してください。自己判断でやめたり、増やしたりしてはいけません。 |
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異常を感じたら |
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薬には、多かれ少なかれ、副作用があります。異常を感じたらすぐに医師か、薬剤師に相談してください。
他の薬を使うときも、必ず医師か、薬剤師に相談しましょう。 |
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薬の効果 |
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薬物療法は、血液中の脂質の量を低下させる働きがあります。薬は高脂血症のタイプによって効き方の違うものを使い分けます。 |
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コレステロールを下げる薬 |
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このタイプの薬は悪玉コレステロール(LDL)を下げる働きがあります。
その働き方には2種類あって、1つはコレステロールの排泄を促します。もう1つは、コレステロールが作られないようにする薬で、現在は世界中で最も多く使われているタイプの薬です。
これらの薬には、善玉コレステロール(HDL)を増やす働きもあります。 |
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中性脂肪を下げる薬 |
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トリグリセリドという中性脂肪の分解を助けます。悪玉コレステロールも少し低下させ、善玉コレステロールを増やす働きがあります。 |
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薬を服用するタイミングがあります |
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悪玉コレステロールを下げる薬の中で、腸からのコレステロールの排泄を促すタイプには食事と食事の間に飲むものがあります。悪玉コレステロールが作られないようにする薬が、コレステロールを排泄する薬と一緒に処方されたときは、服用時間をずらすように指示が出ます。
他のタイプの薬についても、指示された服用時間帯を守るようにしてください。 |
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薬を飲み忘れた |
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医師は、それぞれの薬が一番効果を発揮してくれる、あるいは副作用が出にくい時間帯に飲むように指示をします。まずはこれをきちんと守って服用するようにしましょう。
うっかり飲み忘れてしまった場合、気が付いた時にすぐに飲んでよいものと、そうでないものがあります。この点については医師から説明があると思いますが、不明であれば自己判断はせずに、医師か薬剤師に相談をして、その指示に従ってください。 |
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検査の値が正常に戻れば薬は必要ない? |
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薬を中止すると、血液中の脂質が再び上昇する可能性があります。今の医学では、高脂血症を根本的に治療することはできませんので、検査値が正常になっても、薬の服用は続ける必要があります。
また、動脈硬化の予防にはある程度の期間が必要です。治療によって血液中の脂質が正常化してきても、すぐには動脈硬化の予防にはつながりません。最低でも6ヶ月、なかには数年間かかるというデータもあります。ですので、薬の服用を続ける必要があります。 |
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コレステロールが下がりすぎた |
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基準値は一般的な値です。ひとりひとり、個人差がありますから、検査値が下がりすぎても心配する必要はありません。むしろ薬を自己判断でやめてしまう方が危険です。
血圧の高い方、糖尿病を合併している方、喫煙者の方などは、動脈硬化を進める危険因子を持つ方の場合は、できるだけ下げるようにした方が良いという報告もあります。 |
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薬の副作用 |
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筋肉痛には注意が必要です。高脂血症の薬には、まれですが「横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)」という副作用が現れることがあります。運動をしていないのに全身の筋肉痛が現れたら、すぐに医師に相談してください。
ほかには、発疹、かゆみなどの過敏症。吐き気、腹痛、便秘、下痢といった胃腸に関係するもの。肝機能の異常、頭痛やめまい、眠気、動悸や倦怠感、目のちらつきなどがあります。 |
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他の薬を飲むときは |
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高脂血症の治療薬は、他の薬と一緒に飲むと、お互いに影響しあって副作用が現れたり、薬の効果が弱くなることがあります(相互作用といいます)。別の病気で薬を使うときや、すでに使っているときは、必ず医師か薬剤師に相談してください。
コレステロールを下げるタイプの新しい薬で、他の薬との相互作用が少ない薬もあります。 |
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グレープフルーツに注意 |
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薬ではありませんが、グレープフルーツジュースの引用には注意が必要です。薬が効きすぎたり、副作用が現れることがあるので、飲まないほうが良いでしょう。 |