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脊髄損傷


脊髄損傷の概要は?

おもな症状

 

損傷部位の痛み
手足のしびれ・手足が動かない
尿が出ない・排尿障害
便秘

似ている病気

 

脊椎損傷
脊髄腫瘍
脊椎腫瘍
ガンの脊椎転移
頸椎椎間板ヘルニア・胸椎椎間板ヘルニア
脊椎カリエス
細菌感染による椎体の炎症性疾患
老人の場合に骨粗鬆症による椎体の圧迫骨折、脊髄自体の血行障害

起こりやすい合併症

 
神経麻痺を伴った場合
急性期 うつ熱による体温上昇
呼吸困難
肺炎
尿路感染
慢性期 床ずれ
関節拘縮
筋肉萎縮
骨への受傷のみの場合
特に重い合併症はありませんが、背部の変形が残ることがあります

脊髄損傷ってどんな病気?

外傷による障害

 

イメージ画像 脊柱を構成している椎体、椎間板、靭帯に破綻をきたすものです。
 大きな外傷によって、脊椎骨(せきついこつ)が脱臼(だっきゅう)、あるいは脱臼骨折を起こした状態。もしくは、脱臼がなくても元々脊柱管(せきちゅうかん)が狭いところに外傷が加わることで、脊髄機能が著しく障害された状態。このような状態を、脊髄損傷と呼びます。
 脊柱管内を通っている脊髄神経が、潰れた骨片によって圧迫されたり、引き千切られたりして手足の麻痺が生じます。

障害部位から下に運動障害

 

 障害部位から下の運動機能が、著しく障害されます。その程度は、完全に動きがなくなるものから、少し筋力が弱くなるものまでさまざまです。
 神経の損傷程度にもよりますが、多少なりとも麻痺が残る可能性があります。


脊髄損傷の原因は?

強い衝撃の外傷

 

イメージ画像 脊髄損傷は、脊柱にとても大きな外からの力が加わって、脊柱を支える組織に破綻が生じることによって、はじめて発症します。
 転落、転倒、交通事故、落下物による受傷などによる外傷。ダイビング、ラグビー、アメリカンフットボール、水泳の飛び込み、格闘技、野球などによるスポーツ外傷などがあります。

老人の場合

 

 脊柱に加齢的変化のあるお年寄りが転倒し、頭や背中を強打して起こる場合もあります。
 しかし、健康な人の日常生活の動作によって起こることはありません。


脊髄損傷の症状は?

知覚障害・運動障害

 

 はっきりとした外傷があり、それに続発して急に上肢・下肢に知覚障害や運動障害が出現します。頸椎、胸椎の脊柱管は比較的狭いため、外力によって脊髄神経への影響を受けやすくなっています。

椎体のみの障害

 

 椎体のみの障害であれば、受傷部が激しく痛むだけで手足の麻痺はありません。しかし、血腫などによる脊髄神経への圧迫で、数日後に麻痺が出てくる場合があるので安心はできません。


脊髄損傷の診断は?

レベルと程度の検査

 

イメージ画像 上肢、体幹、下肢の知覚障害、筋力、反射を検査します。脊髄障害が起こっているレベルと、脊髄障害の程度を診断します。

レントゲンとMRI

 

 骨の障害、脱臼がある場合は、単純エックス線検査で障害部位の診断が可能です。
 しかし、骨と骨のクッションの役割を果たしている椎間板(ついかんばん)などの軟部組織の状態、脊髄に対する圧迫の程度をみるためにはMRI検査が適しています。


脊髄損傷の治療法は?

治療法の選択

 

イメージ画像 今後の自分の一生を左右することもある疾患なので、早期に病気を診断し、正確に病状を把握することが必要です。
 椎体のみの損傷で、脊髄神経への圧迫がみられないときは、経過観察をしながら保存的治療を行うこともあります。

手術

 

 脊柱がズレていたり、脊柱自体が不安定であったり、明らかな骨傷がある場合や、脊柱管が狭い場合、手術的治療が基本になります。
 完全に脊髄が損傷されてしまい、障害部位から下の知覚、運動機能が完全に消失してしまっている状態では、手術的治療を行っても機能が戻ることはほとんどありません。

手術方法

 

 手術は、脊髄神経への圧迫を取り除き、また脊柱を正しい位置に戻して安定化を図るために、骨移植を行ったり金属を挿入して、脊柱を固定する方法が多いです。

症状によって異なる手術結果

 

 障害部位から下に一部でも機能が残っている場合、早期に手術的治療を受けることで、機能が回復することがあります。

術後とリハビリテーション

 

 一度麻痺してしまった神経の回復には、非常に時間がかかります。場合によっては回復しないこともあるので、リハビリテーションが必要になります。
 排尿障害がある場合には、尿路感染、腎臓結石を起こしやすいため、無菌的な膀胱洗浄が必要になります。便秘に関しては、定期的に下剤や浣腸などが必要になります。


脊髄損傷かなと思ったら?

すぐに病院へ

 

イメージ画像 脊髄損傷が疑われる場合、緊急手術が必要になることもあるため、すぐに専門病院への搬送が必要です。搬送には、損傷部位をできるだけ動かさないように注意し、寝かせた状態で搬送します。
 病院は専門医のいる病院を早期に受診するべきです。受診する科は、整形外科、もしくは脳神経外科になります。

救急車の要請

 

 救命救急センターでは、整形外科医や脳神経外科医と連絡を取って治療に当たることが多いため、救急車を呼び、救命救急センターへ搬送してもらうのがもっとも良い対処法です。

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