使節団は事前に日本語訳の世界地理書を読み、アメリカの政治、社会制度などの知識を持ってはいましたが、長い鎖国のために、彼らの異国体験は驚きの連続でした。
息つく暇もなく、工場、学校、博物館、その他の施設見学、芝居見物、パーティーへの参加などをこなしました。
国会議事堂を見学した使節に一人は、議員たちが身振り手振りを交えて大声で討論をする様子を見て、「まるで日本橋の魚市場のようだ」と日記に記しています。アメリカの新聞記事によれば、使節団のワシントン滞在中、連日のように議会に傍聴にやってきた熱心な随員もいたといいます。
こうして見聞きしたこと、体験したことが、のちの明治時代になって新しい国造りに役立てられました。 |