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長期大量の飲酒 |
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長期、大量の飲酒によって肝細胞に中性脂肪が蓄積すると、脂肪肝になります。脂肪の量が多くなると細胞の働きが低下し、細胞が壊れることもあります。
さらに障害が高度になると、肝細胞の周りに繊維ができ、繊維症になります。肝臓を流れる血液が繊維によって妨げられ、細胞に入る血液量が減ると、肝臓の働きが低下してしまいます。
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90%-100%
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節酒・断酒
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30%-40%
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10%-20% |
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断酒
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10%-30%
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重症化 |
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アルコール性肝炎 |
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普段、大量に飲酒している人が一度に極端な大量飲酒をすると、アルコール性肝炎になります。
アルコールが代謝されてできるアセトアルデヒドによって肝細胞の働きが直接障害され、たくさんの細胞が壊れてしまいます。黄疸ができるのは、細胞が壊れたために起こる現象です。
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肝硬変 |
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繊維症が高度になったり、肝炎が治った後に肝硬変になります。
肝細胞の集団の周りに硬い繊維ができ、細胞に入る血液量が著しく減少し、肝臓のたんぱく質を合成する働きや、有毒物質を分解する働きが低下してしまいます。
食道静脈瘤がでいるのは、肝臓を通って心臓に行く血液の流れが障害され、肝臓を通らないで直接心臓へ行く血管を通るようになるためです。
出血傾向が現れるのは、血液凝固因子の合成が低下するためです。
肝性昏睡(かんせいこんすい)が起こるのは、アンモニアなどの脳を障害する物質が増えるためです。 |
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欧米での研究 |
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慢性的な大量の飲酒が肝臓に障害を引き起こすことは、古代ギリシャの時代から良く知られていました。
Pequignotらによると、純アルコールに換算して1日80g未満を対照群、80g〜160gを危険群、160g以上を高危険群とした場合、肝硬変の頻度は対照群に比べて危険群では約5倍、高危険群では約25倍になることがわかりました。
このような研究をもとに、欧米では1日あたりの安全域をアルコールに換算すると30g程度と見積もっています。
白人種と黄色人種とでは遺伝的背景が異なるために不明確なことも多く、日本人の安全域は明確になっていません。 |
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日本の酒豪 |
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日本では1日平均150g以上のアルコールを飲む人を大酒家と呼んでいます。
この量をお酒に換算すると、日本酒では5合、ビールでは大びん5本、ウイスキーではダブルで5杯くらいになります。
日本では、約240万人がこの範疇に入ると言われています。 |
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お酒の適量 |
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日本酒1合に含まれるアルコール量は、約28gになります。
1日に日本酒2合で、隔日に飲酒すると仮定すると、1日あたり平均28gのアルコールを摂取する計算になります。
健康日本21運動では、20gを目安として掲げているので、「1週間に2回、日本酒2合で健康生活」ということになります。
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