そらいろネット > 家庭の医学 > 循環器の病気 > 川崎病
39度以上の高熱 手の平、足の裏の発疹 眼の充血 頸(首)のリンパ節の腫れ 手足の甲の腫れ 指先からの皮むけ 赤い唇
敗血症 猩紅熱(しょうこうねつ) スチーブンスジョンソン症候群 慢性関節リウマチ 麻疹(はしか) 突発性発疹(小児バラ疹) 風疹・三日ばしか 水痘(みずぼうそう・水疱瘡) 手足口病 伝染性紅斑・りんご病
心臓の冠動脈の動脈瘤 腋下動脈瘤 腸骨動脈瘤
乳児、幼児に多くみられる病気ですが、成人でもかかることがあります。 特徴的な症状から、急性熱性粘膜皮膚リンパ節症候群と呼ばれています。しかし、発見者の名前をとって、川崎病と呼ばれることの方が一般的です。日本赤十字社医療センター小児科部長だった川崎富作医師が1967年に初めて報告した病気です。
数日以上の発熱が続き、頸のリンパ節の腫れ、眼の充血、口唇の紅潮、指先からの皮むけなどの症状が出て、いずれ自然に治ります。急性期にはそれほど危険のない病気です。 しかし、問題は心臓に冠動脈の動脈瘤などの合併症を起こすことで、それが命取りになることもあります。死病率は1%以下です。
原因はまだわかっていません。 流行がみられることから、何らかの感染との関連が疑われています。
原因不明の発熱が続くうち、麻疹に似た、あるいは麻疹よりも大きな発疹が現れたり、頸のリンパ節が腫れたりします。 眼の充血もありますが、麻疹と違って、目やには出ません。 口唇や口内の粘膜が赤くなり、手足がパンパンに腫れるのも特徴です。 回復期に向かう頃には、手と足の指の皮がむけ始めます。2週間〜3週間で自然に解熱し、治癒します。
全身の中小動脈、特に冠動脈に血管炎が起こります。その結果として、心臓の冠動脈に動脈瘤を残すことがあるので注意が必要です。自覚症状がはっきりしないのが普通です。 10日目くらいからそのような病変がみられるので、心臓の超音波検査や、冠動脈造影検査、心電図、エックス線検査をして、合併症がないかどうか確かめながら経過を見るべきです。 また、心臓の合併症もあります。冠動脈が詰まってしまったり、動脈瘤が破裂して急死することもあります。
川崎病は原因がわかっていないので、原因療法はありません。 免疫グロブリン製剤の大量点滴と、アスピリンを併用して内服するのが一般的です。
抗炎症薬を用いますが、免疫グロブリン製剤を大量に静脈内注射する方法は、冠動脈病変の発生を減少させ、早く解熱させることができるので、中心的な治療法になっています。
冠動脈の病変は、免疫グロブリン製剤を用いても数%程度であらわれてしまいます。その場合は、冠動脈の病変部で血液が固まって血管を塞いでしまうのを防ぐために、抗血液凝固薬を用います。 冠動脈の病変は、かなりの確率で正常化しますが、永続的な変化を残すこともあります。場合によっては、外科手術によってバイパスを作る治療を行うこともあります。
川崎病は原因がわかっていないので、予防法はありません。
もし川崎病かもしれないと思ったら、すぐに医師の診察を受けるべきです。 敗血症などの重い病気との区別も必要になりますし、早いうちに免疫グロブリン製剤を注射すれば、冠動脈の合併症を減らすことができます。