|
おもな治療法は3つ
|
|
症状が軽度であっても、入院して安静を保ち、原因を探る検査を行います。
炎症に対する治療、原因疾患に対する治療、心タンポナーデに対する治療の、3つの治療を行います。原因によって、治療法は異なります。
収縮性心膜炎では、硬く厚くなった心膜を剥がす心膜切除術と呼ばれる手術が必要になることもあります。
|
|
心タンポナーデ
|
|
細菌性心膜炎は、一般的に重症化し、心タンポナーデになることがしばしばあります。
心タンポナーデを起こしている重症の患者さんには、治療と原因特定のため、チューブを挿入して心嚢液を廃液するドレナージが必要になります。心膜切開術を行うこともあります。
排出した貯留液から、ウイルス性、細菌性、結核性、悪性腫瘍などの原因診断も併せて行います。
再貯留を防ぐため、抗ガン剤、抗生物質を注入し、心膜を癒着させることもあります。
|
|
薬物療法
|
|
治療は、抗炎症薬などを使った、対症療法を行います。
ウイルス性では、非ステロイド系消炎鎮痛薬が治療のメインとなります。細菌性では、強力な抗生物質の使用が必要になります。
細胞診で悪性細胞が見付かった場合、抗ガン薬を心嚢内に投与し、心膜の癒着を図ることがあります。
結核が原因の場合、肺結核に準じた抗結核薬を6ヶ月間、内服します。
収縮性心膜炎への移行を予防するため、短期的にステロイド薬を併用することもあります。自己免疫疾患に由来する場合も、ステロイド薬を使用することがあります。
|
|
収縮性心膜炎
|
|
収縮性心膜炎は、自然治癒することはなく、軽度の場合は運動制限や塩分制限、生活指導、利尿薬の投与による対症療法を行います。しかし、治療の基本は外科的治療になります。早期診断と、早期治療が重要になります。
硬く厚くなった心膜を剥がす心膜切除術・心膜剥離術と呼ばれる手術が必要になることもあります。
十分な剥離ができれば、血行の改善、症状の改善がみられます。心不全、腎不全、高度石灰化、不完全な剥離では、手術後の改善に悪影響を与えます。
|
|
予後
|
|
原因疾患によって、予後は異なります。
ほとんどは、完全治癒しますが、再発、長引き、収縮性心膜炎になることもあるので、注意が必要です。
特発性心膜炎の予後は良好で、多くは約1ヶ月で完治します。しかし、時に再発することがあります。
結核性心膜炎では、収縮性心膜炎への移行に注意する必要があります。
|