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 タシロラン
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タシロラン

[和名・種類] タシロラン
[学名] Epipogium roseum
[英名] -
[名前の由来] 田代蘭。植物学者の田代善太郎氏によって長崎県諫早で発見されたことから。
[分布] 関東地方以西の太平洋側
[科名] ラン科トラキチラン属
[花色] 白色
[花期] 6月7月
[特徴・解説]  腐葉土に富んだ暖地の照葉樹林の林床に生える、腐生植物の一年草。
 茎は地中浅く横たわる楕円状の塊茎から出て、高さ15cm〜50cmになります。植物全体に葉緑素がなく、全体が白黄色をしています。
 淡褐色で膜質の鞘状葉があります。
 多数の花を総状に付けます。花柄の基部には、薄質小形の長さ約8mmの苞があり、反曲します。花は白色で、花弁に赤紫色の斑紋がありますが、開花後すぐに淡褐色となります。萼片、側花弁は長さ約8mmです。唇弁は長さ約8mmの広卵形で、背面が膨れ、内側中央に2個のとさか状突起があります。距は長楕円形で、長さ約4mmです。花序ははじめは下を向いていますが、花期には直立します。
 果実は楕円形の刮ハです。花柄の上部に花が咲いている間に、下部ではすでに結実が始まっています。種子は非常に小さく、直径約0.3mmになります。軽く風に飛ばされやすいため、東南アジア・オーストラリア・アメリカにまで広く分布しています。
 2週間〜3週間程度で、枯れてしまいます。1年のうちのほとんどは地下で育成し、キノコに寄生します。寄生・生活史については、まだ詳しいことはわかっていません。
[レポート]  出てきたばかりのタシロランの茎の写真です。
 最初のうちは、モヤシのような状態です。大きくなっても、モヤシのような状態なんだけど。葉緑素がなく光合成をしないので、植物体全体が白色をしています。植物なのに光合成をしないなんて、変り者ですよねー。学校では植物は光合成をして、二酸化炭素を酸素に変えるって習ったんだけど。先生、それ、間違ってますよぉー。
 三浦半島を問わず、どこでもあまり見かけない、珍しい植物です。種子は風に乗って運ばれるため、分布は少しずつ増加傾向にあるようです。身近な場所で見られるようになったら、嬉しいんだけどなー。
 種子から育てたり、園芸で育てたりするのは、残念ながら不可能みたいです。地下で成長していて、花の咲く時にだけ出てくるんですが。数年間、地下で成長し栄養分を貯めていると考えられていますが、まだ詳細はわかっていないみたいです。
[写真撮影] 2008年06月19日
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