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安定期の治療法 |
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禁煙によるリスクの回避、適切な病気の管理によって、有効な予防と治療が可能になります。
慢性閉塞性肺疾患の治療は、病期や症状に応じて階段的に増強していきます。安定期における慢性閉塞性肺疾患の病期別治療法は、以下の通りです。 |
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■長期酸素療法
(呼吸不全時)
■外科的治療の考慮 |
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■呼吸リハビリテーション
■長時間作用型気管支拡張薬の定期的使用(単剤〜多剤) |
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30%未満または、
50%未満で慢性呼吸不全か右心不全を合併 |
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)診断と治療のためのガイドライン |
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0期(リスク群) |
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慢性閉塞性肺疾患の発症を予防し、進行を遅らせるためには、タバコの煙への曝露(ばくろ)を回避することがもっとも重要です。
0期リスク群も含めてすべての慢性閉塞性肺疾患において、禁煙、インフルエンザワクチンの予防接種が大切です。
インフルエンザワクチンは、増悪による慢性閉塞性肺疾患の死亡率を50%低下させることが報告されています。 |
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T期(軽症) |
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禁煙に加えて、症状の軽減を目的に、必要に応じて短時間作用型の気管支拡張薬を使用します。 |
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U期(中等症) |
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症状の軽減に加えて、生活の質(QOL)の改善、運動能力の改善などがおもな目標となります。長時間作用型の気管支拡張薬の定期的な投与と、呼吸リハビリテーションが勧められます。 |
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U期〜W期(中等症〜最重症) |
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薬物療法では、長時間作用型の気管支拡張薬の定期使用が中心になります。効果に応じて複数の長時間作用型気管支拡張薬が併用されます。
喀痰調整薬の有効性に関しては、今後さらに検証が必要とされています。 |
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V期〜W期(重症〜最重症) |
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増悪の予防が大きな課題となります。
過去3年間で3回の増悪を繰り返すなど増悪を繰り返す患者さんでは、吸入ステロイド薬を追加することによって増悪の頻度を減少させ、生活の質(QOL)の悪化を抑えることが報告されています。 |
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非薬物療法 |
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呼吸リハビリテーションや栄養管理などの非薬物療法は、薬物療法と同じくらい重要になります。
呼吸不全を合併する場合、在宅による長期酸素療法が行われ、生命予後を改善することが示されています。 |
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外科的治療 |
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最大限の内科的治療を行ったにもかかわらず、疾患の進行がみられる場合には、外科的治療が考慮されます。
肺容量減少手術、肺移植術などがあります。 |
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増悪期の薬物療法 |
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増悪期では、気管支拡張薬吸入の用量、回数を可能な範囲で増やします。
ステロイドの経口、または経静脈投与による全身投与は、増悪から回復するまでの時間を短縮させ、肺機能をより早く回復させます。
喀痰量や喀痰の膿性度が増えていれば、抗菌薬が投与されます。 |
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肺機能の高度な低下 |
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肺機能の低下が高度な場合、非侵襲的陽圧換気療法(ひしんしゅうてきようあつかんきりょうほう・NIPPV)が行われます。
誤嚥(ごえん)がある場合、喀痰などの分泌物の吐き出しが困難なため気道確保が必要である場合などは、侵襲的陽圧換気療法(IPPV)が行われます。 |