数年ぶりに訪れた小松ヶ池。数年ぶりどころか、小学生の時に行って以来かもしれません。子供の頃は釣りが好きだったので、わざわざ電車に乗って小松ヶ池まで釣りに行っていました。淡水で釣りのできる場所って、小松ヶ池くらいしかなかったんですよ。
周辺も綺麗に整備され、見違えるようになりました。
この大沼は「小松ヶ池」あるいは「お松ヶ池」と呼ばれ、古くから里人の間に、この沼にまつわる物語が語り継がれています。
昔、この池の辺りがまだいくつかの小さな水田に分かれていた頃、「お松」という働き者の嫁が一人、田植えに励んでいました。
田んぼの持ち主である姑は息子夫婦の仲睦まじさをねたみ、まだ産後間もないお松をいびり始めました。姑は息子の留守を狙い、一人では到底不可能なほどの田植えを言いつけられました。
素直なお松は赤子を背負い、一所懸命田植えをしました。すでに太陽は西山に隠れようとしているのに田植えは終わらず、困り果てたお松は天を仰いで「あと半刻もあれば田植えが終わるのに」と嘆き悲しみ、太陽が沈まぬよう一心に神に祈りました。すると不思議なことに、沈もうとしていた太陽がにわかに数尺も高く東へ戻り、そのおかげでお松は無事に田植えを終えることができました。
しかし精根尽き果て、あたり一面は深い泥沼へと変わり、お松は水に呑まれてしまいました。
それからというもの、お松のたたりを恐れてこの田んぼを耕す者はおらず、雨の多い年が続き、やがて水が溜まり、池となりました。
このような悲しい伝説が、小松ヶ池と呼ばれるようになった由来です。 |
写真撮影:2008年02月29日 |
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